飲食店が潰れるときの前兆とは?10の共通点と立て直し方

経営

2026/09/11

飲食店が潰れるときの前兆とは?10の共通点と立て直し方

飲食店の閉店は、ある日突然決まるとは限りません。売上の減少や資金繰りの悪化、スタッフの退職、常連客の減少など、経営が悪化する前にはさまざまな前兆が現れます。

本記事では、飲食店が潰れる前に見られやすい危険サインと、その段階で取り組みたい改善策を解説します。

飲食店が潰れる前兆とは?10の共通点

飲食店街つい最近オープンしたばかりの飲食店が気づいたら潰れて別の店舗になっていた、というケースは珍しくありません。ここでは、飲食店が潰れる前に起きやすい前兆をご紹介します。当てはまる前兆があった場合は速やかに対策をおこないましょう。

1.売上が継続的に減少している

売上の継続的な減少は、飲食店が潰れる前に現れやすい代表的な前兆です。季節や天候による一時的な減少ではなく、前年同月比や直近3~6か月などで減少傾向が続いている場合は注意が必要です。

客数と客単価に分けて分析し、どこに原因があるのかを早めに特定しましょう。

2.来店客数・リピーターが減っている

売上だけでなく、来店客数やリピーター数の変化にも注意しましょう。特に、これまで定期的に利用していた常連客が減っている場合は、料理や接客、価格などに問題が生じている可能性があります。

新規顧客の獲得だけに目を向けず、既存顧客の再来店率も確認することが重要です。

3.原価率・人件費率が上昇している

売上が変わっていなくても、食材価格や人件費の上昇によって利益が減少することがあります。特に飲食店では食材費と人件費が大きなコストとなるため、原価率・人件費率・FL比率の推移を毎月確認することが重要です。

数値が悪化している場合は、価格設定や仕入れ、シフトなどを見直しましょう。

4.SNS・HPが活用できていない

SNSやHPなど、ネットワークを駆使したツールは、ネットワーク社会において欠かせない集客手段です。まず定休日や営業時間、メニューなどを調べてから飲食店に訪れる方も多く、SNSの更新がないとお客さんは不安になってしまいます。

「せっかく行っても定休日だったら時間の無駄になる」と言う気持ちから、お客さんの足を遠ざけてしまうでしょう。

5.テナントの入れ替わりが激しい

「つい最近ラーメン屋だったのに、もう閉店して今はカレー屋さんになっている」など、テナントの入れ替わりが激しい物件を見つけたことはありませんか?このケースのように、テナントの入れ替わりが激しい物件は、目につきやすい良い立地でも、家賃が高額な傾向にあります。

そのため、繁盛している飲食店であっても経営が苦しい状態が続き、早々に潰れることになってしまうのです。

飲食店を開業する際はどうしても「立地」を重視しがちですが、自身の持つ店舗の客単価や席数、回転率を考慮し、黒字経営が叶うかどうかを見極める必要があります。

6.掃除が行き届いていない

当然ですが、不衛生な飲食店は潰れるでしょう。飲食店においてとても重要な「衛生面」に最大限の配慮がされていないと、お客さんに不快感を与えてしまいます。ここで注意したいのが「不衛生」と「経年劣化」の違いです。年季の入った店舗でも、スタッフによる清掃が行き届いていたら清潔感は保てます。

掃除の「手抜き」がお客さんに伝わると、2度と来店してもらえないでしょう。

7.割引・キャンペーンを頻繁におこなう

料理の割引やキャンペーンは、オーソドックスな宣伝方法として効果的だと言われています。美味しい料理がお得に食べられることは、お客さんにとっても嬉しいことです。しかし、この割引やキャンペーンの「頻度」を間違えてはいけません。なぜなら、こういったキャンペーンはたまにあるものだから特別感を感じられるからです。

いつでも割引をしているとなると、「またすぐ割引になりそうだし、次の機会に行けば良いか」と言うお客さんが増え、効果が薄くなってしまいます。加えて、お客さんからするとお得なイベントでも、店舗からすると利益が減少するものです。

このような宣伝方法の乱発は、経営を傾かせる要因にもなります。

8.スタッフの退職が増えている

スタッフの退職が続くことも、飲食店経営の悪化につながる前兆の一つです。人員不足になると既存スタッフの負担が増え、接客や料理提供の品質が低下する可能性があります。

さらに採用費や教育費も発生するため、人件費削減だけを目的とした無理な人員配置には注意しましょう。

9.メニューやサービスの品質が落ちている

経営が苦しくなると、食材の質を下げたり、スタッフ数を減らしたりしてコストを抑えたくなることがあります。しかし、過度なコスト削減によって料理や接客、清掃などの品質が低下すると、顧客離れを招き、さらに売上が減少する悪循環につながります。

削減してよいコストと守るべき品質を分けて考えることが重要です。

10.経営者自身が数字を見なくなっている

経営者が売上だけを確認し、利益や原価率、人件費率、現預金残高などを把握していない状態も危険です。数字を確認しなければ、経営悪化に気づくタイミングが遅れてしまいます。

毎月の試算表などを活用し、売上・利益・キャッシュの変化を定期的に確認する習慣を作りましょう。

飲食店が潰れる前兆には「外的要因」もある

ここまでは飲食店が潰れる「内的要因」、つまりお店の中に原因があるケースをご紹介しましたが、飲食店が潰れる前兆には「外的要因」もあります。近年は内的要因だけでなく、外的要因によって潰れる飲食店も少なくありません。

飲食店が潰れる外的要因の代表的なものとして「食材の高騰」が挙げられます。食材の仕入れ値が上がると原価率の上昇に繋がるため、経営を圧迫させる原因となります。食材の仕入れ値は時期によって変動するものであるため、値段の変更に合わせてメニュー変更をおこなったり、時には値上げを検討しなければいけません。

また、飲食店の周辺環境の変化も潰れる原因になることがあります。飲食店の近隣に大型商業施設ができたり、商店街が寂れてしまったりとマイナスの変化によって経営が傾いてしまうことも考えられます。

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飲食店が潰れる前兆に気づいたら最初にやるべきこと

飲食店スタッフ飲食店が潰れる前兆を感じたら、焦って値引きや広告を増やすのではなく、まず現在の経営状態を正確に把握しましょう。数字から原因を特定し、優先順位をつけて改善することが重要です。

STEP1|売上・利益・現預金を確認する

最初に確認したいのが「売上」「利益」「現預金」の3つです。売上が減っているのか、売上はあるものの利益が残っていないのか、それとも利益は出ていても現金が減っているのかによって必要な対策は変わります。

直近だけでなく、過去数か月の推移を比較して経営状況を整理しましょう。

STEP2|赤字の原因を特定する

赤字になっている場合は、「売上不足」「原価上昇」「人件費増加」「固定費負担」などに原因を分解します。単純に「もっと集客しなければ」と考えるのではなく、どの数字が悪化しているのかを特定することが重要です。

原因が分かれば、優先して改善すべき項目も見えやすくなります。

STEP3|不要なコストを見直す

次に、店舗運営に必要な費用と削減できる費用を整理します。仕入れ先や食材ロス、広告費、サブスクリプション、営業時間などを見直し、利益への貢献度が低い支出がないか確認しましょう。

ただし、料理や接客の品質を大きく低下させるコスト削減は、顧客離れにつながるため注意が必要です。

STEP4|客数・客単価を改善する

コスト削減だけでは改善に限界があるため、売上を増やす施策も同時に検討します。新規集客だけでなく、リピーター対策やメニュー構成の見直し、セット販売、追加注文の促進なども有効です。

「客数×客単価」に分解して、どちらを改善するのが効果的なのかを考えましょう。

STEP5|資金繰り表を作成する

経営状態が厳しいときほど、数か月先までの資金繰りを予測することが重要です。売上入金だけでなく、仕入れ、人件費、家賃、税金、借入返済などの予定を整理し、「いつ・いくら資金が不足する可能性があるのか」を把握します。

早く把握できれば、資金調達を含めて取れる選択肢も増やせます。

STEP6|早い段階で専門家へ相談する

自社だけで改善が難しい場合は、税理士などの専門家へ早めに相談しましょう。特に資金繰りが悪化してからでは、融資などの選択肢が限られる場合があります。

経営状態を数字で整理し、利益改善や返済計画、資金調達などを含めて、店舗を継続するための方法を検討することが重要です。

飲食店に強い税理士へのご相談

まとめ|飲食店は「数字」に早く気づくことが重要

飲食店の経営悪化は、「客数の減少→売上の減少→利益の減少→現預金の減少→支払いが苦しくなる」というように、段階的に進行することがあります。

そのため、「売上があるから大丈夫」「まだ支払いはできている」と判断するのではなく、売上・利益・原価・人件費・現預金などの数字を定期的に確認することが重要です。

前兆を早く発見できれば、コスト改善や売上対策だけでなく、資金調達を含めて検討できる選択肢も増えます。経営改善や資金繰りに不安がある場合は、問題が深刻化する前に早めに対策を進めましょう。

記事監修者

岩下直人

岩下 直人

取締役 FOODGYM事業部長

世界的アパレル企業で店舗マネージャーを経て、2014年OAGコンサルティングへ。
FOODOAGの黎明期からキャッシュフロー経営をサポートするため、開業から数十店舗拡大中のお客様まで幅広く対応。
中小飲食企業の外部CFOとなるべく、奮闘中。

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