経営
2022/11/16
飲食店を営む経営者のなかには、多店舗展開を視野に入れている方もいるのではないでしょうか。会社を大きくしていきたい思いや成長してきたスタッフの活躍の場を広げたい、飲食店のブランディング化を進めたいなど様々な目標や野望があるでしょう。
一方で、飲食店における多店舗展開にはリスクもあることから、なかなか行動に移せない方も少なくありません。そこでこの記事では、飲食店の多店舗展開を検討する方の多くが気になる疑問
「飲食店の多店舗展開のポイントは?」
「飲食店の多店舗展開で成功するには?」
「飲食店の多店舗展開のメリット・デメリットは?」
などについて解説していきます!出店タイミングや出口戦略についてもご紹介しますので、是非参考にしてください。
飲食店を多店舗 展開するメリットをご存知でしょうか。まずは、多店舗展開の主なメリットを見ていきましょう。
まずメリットとしてあげられるのは「リスクの分散」です。1店舗の飲食店を営業していると、1店舗の状況によって経営の良し悪しが決められてしまいますが、多店舗展開することによって複数店舗の売上・利益ともにカバーしあえます。
また、人材不足の際もヘルプを出し合うなど人材面・資金面ともに助け合いが可能です。
いくら1店舗目が絶好調だからといって、立地・客層などによる売上の限界はあります。しかし、違った立地、違った客層を持つ店舗を複数持つと、1店舗目にはなかった新しい可能性が広がるのです。
もちろん1店舗だけで飲食店を運営するよりも売上増加も期待できます。多店舗展開は、利益を増やし、会社を大きくする道が作られる大きなメリットがあるでしょう。
飲食店経営には欠かせない「仕入れ」に関する費用が減少する点もメリットとして挙げられます。一般的に、仕入れは大量に仕入れるほうが低い原価に抑えられるため、多店舗展開することで、1度に仕入れる量が大幅に増え、仕入れコストの減少につながるでしょう。
また、多くの仕入れをおこなうことで取引先からの関係性構築にもつながりやすくなり、仕入れ価格の交渉や納品日の融通もききやすくなるメリットも期待できます。
経営する飲食店をもっと知ってもらう、ブランド化を高めるためには多店舗展開が有効です。複数の店舗を対象の地域に集中的に出店することによって「〇〇市の飲食店といえばここ!」のように認知度を高め、飲食店のブランド化を狙うことが可能です。
飲食店を1店舗のみ経営していると、どれだけやる気や向上心のあるスタッフがいても、活躍できる場やキャリアアップの機会を与えられません。その点、飲食店を多店舗展開すると、従業員からリーダー・店長・エリアマネージャーというように、キャリアパスの将来的な選択肢を増やすことが可能になります。
経営者からしても成長したスタッフがやめずにお店に貢献してくれるのは嬉しいですし、キャリアアップを希望する従業員のモチベーションアップにも繋がるでしょう。
飲食店を多店舗展開することによるメリットを見ていると、大きな魅力を感じた方も多いでしょう。しかし、飲食店の多店舗展開をおこなうリスクやデメリットも複数存在します。事前に注意点を確認していきましょう。
多店舗展開によって仕入れコスト削減できるものの、増える経費も多くあります。家賃・人件費・水道光熱費などの固定費が相応に増えることになるでしょう。
複数の店舗を経営することで、その分売上が増加することも期待できますが、経費を考慮しておかないといけません。
多店舗展開の大きなデメリットのひとつとして「経営管理の複雑化」が挙げられます。先ほど説明した経費の増加や働くスタッフの増加などによって経営側が管理することが大幅に増えることになります。
給料の支払いや各店舗の売上集計、発注管理など管理負担が増え、ミスが発生する確率も高まります。
飲食店を増やす分だけスタッフも多くなります。
・急な多店舗展開に伴いスタッフが不足し、サービスの質が落ちる
・人材採用や教育訓練費が増え、教える人の負担が増える
など、多店舗展開することによって人材に関する負担が増加する点もデメリットになるでしょう。
これまで、飲食店における多店舗展開のメリットとデメリットをご紹介しました。良い面も悪い面も理解したうえで多店舗展開を検討する場合、重要となるのが出店するタイミングです。
多店舗展開を成功させるためにも、最適なタイミングで出店をおこないましょう!
まずはじめに確認したい点が「既存店舗の黒字化」が出来ているかどうかです。1店舗目の経営がまだ安定していなかったり、十分な利益を継続してあげられていなかったりする状態の場合、多店舗展開するタイミングとしてはまだ早いでしょう。
なぜなら、2店舗を出しても上手くいかなかった際に既存店の売上によって補てんする必要が出てくるからです。1店舗目が上手くいかないまま多店舗展開に踏み切るケースもありますが、リスクが高いといえます。
「店舗を任せられる人材の有無」も多店舗展開を決めるタイミングとして重要です。1店舗のみの飲食店の場合、経営者が営業時間はオペレーションに入り、シフト作成から人材採用・新人教育などまで担うことも可能かもしれませんが、複数店舗の管理となると能力のある人でも3店舗が限度です。
そのため、マネジメント力がある社員や接客スキルの高いアルバイトなど、店舗の営業を任せられる人材が揃っていることが必須条件でしょう。
デメリットのところでも少し説明しましたが、飲食店の多店舗展には経費や店舗取得において大きな資金が必要になります。そのため「十分な資金が用意できている」ことも多店舗展開のタイミングに重要となってくるでしょう。
すでに多店舗展開を視野に入れているのであれば、既存店舗によってどこまでの赤字を補てんできるのか、出店に必要な自己資金はどのくらいかなど、計画を立てておくことが大切です。
「2店舗目を出すタイミング」についてはこちらの記事もご確認ください。
飲食店の多店舗展開を成功させるポイントは出店のタイミングだけではありません。最後に、出店戦略のポイントをご紹介します。
撤退ラインを想定し明確に定めておくことは、出店前にすべき戦略のひとつです。多店舗展開をおこなうまえに明確な撤退ラインを定めることで、既存店まで経営状況が悪化するケースを防ぐことができます。
いつまでに2店舗目を軌道に乗せるのか、赤字が◯◯円を超過したら、など数値を用いて撤退条件を確保することをおすすめします。
飲食店の多店舗展開によくあるのが、2店舗目以降の立地選定ミスによって失敗するケースです。多店舗展開によってエリアを広げることも可能ですが、土地勘のない場所であれば客層のニーズ調査など出店立地の調査を行わなければなりません。
立地は1度決めると変更することはできません。1店舗目との距離や競合店の調査をおこない慎重に決めていきましょう。
出店タイミングも最適で立地や撤退ラインも決めたら、多店舗展開の成功は人材と経営にかかってきます。経営者の代わりにマネジメント作業できる方を配置し、人材教育に力を注ぎましょう。
運営マニュアルや店舗業務マニュアルなど細かなマニュアルを作成したり、クレームの際のお客様対応に関するマニュアル作成をしたりと、経営の安定化をめざしましょう。
今回の記事では、飲食店の多店舗展開について紹介しました。多店舗展開にはリスク分散やお店の認知度向上などのメリットがある一方、経費や管理面の負担増加というリスクも伴います。飲食店の多店舗展開を視野に入れている方は、事前に出店タイミングや出店戦略を押さえ、店舗のブランド化に成功させましょう!
FOODGYMでは飲食店の多店舗展開を目指す方専用のプランもご用意しています。
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