飲食店の利益率の平均は?黒字経営を実現する改善ポイント

経営

2026/06/03

飲食店の利益率の平均は?黒字経営を実現する改善ポイント

飲食店経営において、売上だけでなく「どれだけ利益が残るか」は非常に重要です。しかし、利益率の目安が分からず、自店の経営状況を正しく判断できていないケースも少なくありません。

本記事では、飲食店の利益率の平均や計算方法、利益率を改善する具体策について解説します。

飲食店の利益率の相場

飲食店の安定した利益を得るためには利益率について詳しく知る必要があります。こちらの項目では利益率とその相場について説明していきたいと思います。

利益率とは?

まず利益の指標として「売上総利益(粗利)」と「営業利益」がよく見られます。売上総利益(粗利)とは売上高から売上原価を引いた時に出る利益のことです。飲食店でいう原価とは商品(フードやドリンク)を作るのにかかった原材料費のことです。

売上総利益(粗利)=売上高-売上原価
例えば、原価が300円のパスタを1,000円で売った場合、売上総利益は700円です。

営業利益とは、売上高から売上原価と販売管理費を引いた時に出る利益のことです。全ての経費とは原価、人件費、家賃、水道光熱費などのことで、固定費と変動費に分けることができます。固定費は毎月必ずかかる費用、変動費は売上に比例して変わる費用のことです。

固定費:人件費(正社員)、家賃など
変動費:人件費(アルバイト) 、水道光熱費、原価、販促費など

営業利益の計算は以下のようになります。

営業利益=売上高ー売上原価ー販売管理費

例えば、1月で売上高が250万円、経費が225万円かかった場合、営業利益は25万円です。

ここまでで売上総利益と営業利益について説明しました。次に利益率の出し方についてです。利益率は以下のように計算します。

営業利益÷売上高×100(%)=利益率

売上高250万円、営業利益25万円の場合、25万円÷250万円×100(%)=10%となります。売上総利益(粗利)がプラスでも経費を引いた営業利益がマイナスでは赤字経営となってしまいます。営業利益がプラスになるような飲食店の経営をしていきましょう。

飲食店における利益率の平均

飲食店の利益率は業態や規模によって異なりますが、一般的な営業利益率は3〜10%程度が目安とされています。(経済産業省の報告だと飲食業界全体の平均は8.6%)

例えば月商500万円の店舗で利益率5%の場合、実際に残る利益は25万円です。売上が大きくても利益率が低ければ手元に残るお金は少なくなるため、利益率の把握は非常に重要です。

ではどのような割合で経費が占めているのか確認していきましょう。先ほどの売上高250万円、営業利益25万円、利益率10%の場合、残りの90%について考えてみます。

売上高 250万円 100%
売上原価 75万円 30%
粗利(売上高-売上原価) 175万円 70%
人件費 75万円 30%
家賃 25万円 10%
光熱費 12.5万円 5%
販促費 12.5万円 5%
その他の経費 25万円 10%
営業利益(粗利-経費) 25万円 10%

この表からも分かるように飲食店を経営していく上で、人件費と原材料費(原価)にコストが大きくかかってきます。また原材料費については寿司屋さんや焼肉屋さんのようなコンセプトの場合、原価率が高くなり40%になることもあります。

原価率が高いと利益が少なくなるかと思われるかもしれませんが、原価率が高く利益率が低い場合でも売上高が大きければ利益は多くなります。

業態別の利益率の違い

飲食店の利益率は業態によって差があります。居酒屋は人件費や食材費の影響を受けやすく利益率が低めになる傾向があります。一方でラーメン店は回転率が高く、原価管理がしやすい場合は利益率が高くなるケースもあります。

カフェは客単価や立地によって大きく左右される特徴があります。

目指すべき目標の利益率はどれくらい?

飲食店の平均利益率が10%〜15%と聞いて思ったより高くないと感じるかもしれません。手っ取り早く利益率30%にすれば儲かると考える人もいるかもしれません。利益率を上げるために極端に人件費や原材料費の経費を削減したりメニューの値上げをすると、接客や料理の質が落ちたりして客足が遠のく原因になってしまいます。

適正なコストダウンなどを見極めて、まずは利益率10%〜15%を目指すようにしましょう。焦らず地道に利益を出すことが重要です。

飲食店の利益率|管理に重要な2つの指標

飲食店の従業員利益率の算出に加えて、ビジネスの健全性を評価する際に有用な「損益分岐点」と「FL比率」という2つの指標が存在します。

損益分岐点

「損益分岐点」とは、売上高と費用が等しくなり、損益が0となる地点を指します。つまり、売上高が損益分岐点を超えれば利益が生まれ、逆にそれを下回れば損失が出ることを意味します。

損益分岐点を計算するためには、全ての費用を固定費と変動費に区分し、特定の期間においてどの費用がどちらのカテゴリに分類されるのかを明確に把握する必要があります。

損益分岐点を計算することにより、特定の売上高が達成されるまでに必要な売上額とそのタイミングを把握できます。また、初期投資や固定費の回収にかかる時間枠を理解するのに役立ちます。

損益分岐点の計算式は以下の通りです:
損益分岐点 = 固定費 ÷ (1 – 変動費 ÷ 売上高)

この指標を活用することで、事業の収益性や経営計画の策定において非常に有用な情報を得ることができます。

FLコスト

「FLコスト」とは、Food(食材費)とLabor(人件費)の頭文字を組み合わせた言葉で、飲食店において最も多くかかるコストである食材費と人件費を合算した金額を指します。

食材費と人件費は飲食店の経費の大部分を占めるため、これらのコストを合わせたFLコストを正確に把握することは、経営計画や収益性の評価にとても重要です。

FLコスト = 食材費 + 人件費

さらに、FLコストが売上高に占める割合を示す「FL比率」も重要な指標になります。FL比率を計算するためには、FLコストを売上高で割り、以下の計算式を使用します。

FL比率 = FLコスト ÷ 売上高

総じて、FLコストとFL比率の計算と監視は、飲食店経営において収益性を向上させ、コストを管理するために不可欠な指標です。

飲食店の利益率が低い場合に考えられる原因

人の多い場所に店を出し、メニューの開発にも力を入れたにもかかわらず、利益が上がりにくい場合、その原因には何が考えられるのでしょうか。

人件費・原価などの経費が高い

飲食店の利益率が低い場合、「人件費・原価などの経費が高い」ことが原因のパターンが少なくありません。

例えば高い原価率は、原材料費が高く、商品の利益を圧迫します。飲食店経営者は原材料調達や在庫管理を見直し、高原価率の商品を見直すことが必要です。また、高収益商品(原価の低い商品)の提供も考慮すべきでしょう。

また、高い人件費は、労働コストを増加させ、利益を減少させます。適切な人件費管理のために、人時売上を活用し、従業員数と労働時間を調整することが必要です。このようなコスト最適化の努力は、飲食店の利益率を向上させ、経営を持続可能にするために不可欠です。

このように、飲食店の原価や人件費などの経費は、利益率に大きな影響を与えています。

集客力が足りない

飲食店の利益率が低い原因の一つは「集客力が足りない」ことです。

ターゲット層に合致した料理やサービスを提供せず、顧客数が不足していると、売上が制約されます。飲食店経営者はターゲット市場をリサーチし、顧客の好みに合わせた料理やサービスを提供する必要があります。

顧客の意見を収集し、改善に役立てることも大切です。

回転率が悪い

飲食店の利益率が低い場合、その原因の一つとして考えられる要因は「回転率が悪い」ことです。回転率とは、飲食店におけるお客様の人数を客席数で割った比率を指します。

この比率が低い場合、飲食店は顧客を迅速に受け入れてサービスを提供することができず、売上も制限されるため、利益が出にくくなります。

飲食店の回転率についての記事はコチラ

飲食店の利益率を上げるポイントは?

女性スタッフ利益率を上げるには売上高のアップを目指すのみではなくコストを見直しましょう。コストを見直す際に、家賃などの固定費を下げることは難しいので、毎月の変動費を見直すようにします。それぞれどのような点を見直すと良いか説明していきます。

食材ロスを抑える

飲食店において必ず必要な食材ですが、利益率を上げるには一番最初に食材の見直しをしましょう。手作りなどにこだわりがなければ安価で美味しい食材に変更したり、ロスの出にくい冷凍食材も取り入れてみて下さい。またメニュー数が多いと使用する食材が増えてしまい、食材ロスの原因と共にコンセプトからぶれてしまう可能性もあります。メニューの増やしすぎには注意が必要です。

人件費を抑える

食材ロスと同じくらい人件費の見直しも重要です。人件費には正社員とアルバイトの両方があり、雇用形態にもかかる費用が変わってきます。人件費=給与と思われがちですが、社会保険料、福利厚生費、賞与、通勤手当、役職手当なども含まれます。初回保険については、法人化している場合だけでなく、個人事業主の場合でも常に5人以上働いている場合でも加入が義務付けられています。

混んでいる時間帯、客数が少ない時間帯をしっかり把握して適切な人員配置をするように心がけましょう。人員確保が難しい場合などがある場合はオペレーション改善(システムの導入や手軽に調理できるもの)を取り入れることも検討しましょう。ただし人件費削減のしすぎでサービスの低下には気をつけて下さい。

 回転率を上げる

人件費を抑えるだけでなく回転率を上げることで利益率アップにも繋がります。回転率とは1日にお客様が何回入れ替わったかのことを表します。例えば、50席あるお店で1日100人のお客様が来た場合、2回転したことになります。この回転率を上げることで売上アップにも繋がります。

開店してみてから団体客が多いのか、1人から少人数での利用が多いのか分かったりすることもあります。少人数客が多い場合は大きいテーブルから小さいテーブルに変更するなどしてお店のレイアウトを見直すことで回転率アップを目指してみて下さい。また客入りが少ない時はタイムセールなどして客数を増やすなども回転率を上げるのに効果的です。

 在庫管理

在庫管理の徹底=食材ロスの減少

在庫管理が出来ていないと、発注を余分にしてしまい食材ロスに繋がります。食材ロスを気にしすぎて仕入れ量を減らすと、いざ注文が入った時に提供できないという機会ロスにもなります。徹底的な在庫管理をすることで、適切な量とタイミングで食材を発注することが重要です。

在庫管理と発注を日々管理することでどのようなオーダーがよく入るかなど予測することが出来てきます。繁忙期でも在庫管理を徹底することにより食材のロスを減らすと共に売り上げにも繋がるようになります。

客単価を上げる

客単価とは一人のお客様が平均して使う金額のことです。お店のコンセプトによりますが、高級店を目指す場合は時間や空間なども落ち着いて利用して頂くためお客様の滞在時間も長くなります。そのような場合は客単価を上げる必要があります。コース料理を何種類か用意して金額に差をつけるなどがあげられます。逆にサラリーマンや学生が多い立地条件の場合、お昼時は安くて早く提供できるメニューにして低利益メニューで高回転を狙っていく必要があります。

客単価を上げるなら単純に値段をあげれば良いと思われるかもしれませんが、メニューの値上げはお客様が一番気にするところで、値段が高いと思われて客足が遠のく原因になってしまいます。全てを利益率の高いメニューにするのではなく利益率の低いメニューと高いメニューを織り交ぜる方が効果的です。高利益のメニューにはお酒や枝豆、ポテトフライなどがあげられます。

また利益率の高いメニューは他のメニューより目立たせて多くの人に注文してもらえるように工夫もしましょう。案内時におすすめメニューとして一声添える、ポップアップメニューを作成したりと一手間加えるだけで頼んでもらえることもあります。

高収益を実現するための3つの施策

飲食店経営において、飲食店の利益率は重要なポイントであり、利益率の向上は事業の成功に直結します。

売上アップとコストダウンの両面からアプローチすることで、更なる利益率向上を目指しましょう。特に原価、人件費、家賃という飲食店経営における三大経費のコントロールは不可欠です。

原価管理の徹底

食材の仕入れ値の見直し、廃棄ロス削減は原価管理の基本です。仕入れ業者との価格交渉や、季節に合わせたメニュー構成、在庫管理システムの導入などを検討しましょう。

また、人気メニューの分析を行い、高収益メニューの開発や販売促進にも力を入れることが重要です。

適切な人員配置と生産性向上

人件費は変動費の中でも大きな割合を占めます。ピークタイムと閑散タイムを分析し、最適な人員配置を計画することで、無駄な人件費を削減できるでしょう。

従業員のスキルアップやマニュアル化によるオペレーション効率化も生産性向上につながります。

効果的な集客戦略

売上増加には、新規顧客の獲得と既存顧客のリピート率向上が重要です。

ターゲット顧客に合わせた広告戦略、SNSを活用した情報発信、口コミサイトへの対策など、多角的な集客施策を展開しましょう。

顧客満足度を高めるためのサービス向上や、顧客ロイヤリティプログラムの導入も効果的です。

まだまだできる!利益率を上げるその他の施策

飲食店の店員ここでは、利益率を上げることで売上向上やコスト削減に繋がる、その他の施策を詳しく解説します。

テイクアウトやデリバリーの導入

新たな収益源の確保として、テイクアウトやデリバリーサービスの導入は有効です。初期投資を抑えるために、既存のフードデリバリーサービスを活用する方法も検討しましょう。

また、自店のウェブサイトやSNSで積極的に宣伝することで、更なる売上増加が見込めます。

ランチタイムとディナータイムで異なる価格設定

時間帯に応じた収益最大化を図るためには、ランチタイムとディナータイムで異なる価格設定を行うことが効果的です。ランチタイムは比較的低価格なメニューを提供することで、回転率を向上させ、売上増加を目指しましょう。

一方、ディナータイムは落ち着いた雰囲気の中で、高価格帯のコース料理などを提供することで、客単価の向上を図ります。

イベント開催

集客力アップには、定期的なイベント開催が有効です。季節に合わせたイベントや、地域に密着したイベントなどを企画することで、新規顧客の獲得や既存顧客のリピート率向上に繋がります。

また、イベントの様子をSNSで発信することで、更なる集客効果を高めることができるでしょう。

デジタルマーケティング

ターゲットを絞った広告配信を行うためには、デジタルマーケティングの活用が不可欠です。SNS広告や検索エンジン広告などを活用することで、特定の層に効果的にアプローチできます。

また、ウェブサイトやブログで情報発信を行うことで、顧客とのエンゲージメントを高め、長期的な関係構築に繋げることも可能です。

飲食店の利益率に関するよくある質問

利益率についてよくある疑問をまとめました。

飲食店の利益率は何%あれば良い?

飲食店の利益率は5〜10%程度が一つの目安とされています。

もちろん業態や立地条件によって適正値は異なりますが、継続的に利益が残り、設備投資や借入返済ができる状態であれば健全な経営といえるでしょう。

利益率と原価率はどう違う?

原価率は売上に対する食材費の割合を指し、利益率は売上に対して最終的に残る利益の割合を指します。

原価率だけを改善しても、人件費や家賃などのコストが高ければ利益率は向上しません。利益率は経営全体の結果を表す指標です。

利益率が低い場合は何から改善すべき?

まずは原価率、人件費率、固定費のどこに問題があるのかを確認しましょう。

特に食材ロスや過剰な人員配置は見落とされやすいポイントです。数値を分析し、改善効果の大きい項目から優先的に見直すことが重要です。

売上が増えているのに利益が残らないのはなぜ?

売上増加に伴って原価や人件費も増えている可能性があります。また、値引き販売や過剰な広告投資によって利益が圧迫されているケースもあります。

売上だけではなく、利益構造全体を確認することが大切です。

飲食店の利益率改善ならFOODGYMへ

FOODGYMでは、飲食店専門の税務・財務支援を通じて、利益率改善につながる数値管理をサポートしています。毎月の試算表や経営数値をもとに課題を可視化し、利益が残る経営体質づくりを支援します。

また、開業融資や運転資金の調達支援にも強みを持ち、金融機関とのネットワークを活かした資金調達サポートを提供しています。融資審査通過率99%という実績があり、資金面の不安を抱える飲食店オーナーにも安心してご相談いただけます。

「売上はあるのに利益が残らない」「利益率を改善したいが何から手を付ければ良いか分からない」という方は、ぜひFOODGYMへご相談ください。飲食店専門だからこそできる視点で、黒字経営の実現をサポートします。

飲食店に強い税理士へのご相談

まとめ|利益率を改善して「売上が残る経営」を目指そう

飲食店の利益率は、経営の健全性を判断する重要な指標です。

  • ①原価率・人件費率を見直す
  • ②食材ロスや在庫ロスを削減する
  • ③数値管理を徹底する
  • ④資金繰りも含めて経営を判断する

利益率改善は日々の積み重ねが重要です。自店の課題を正しく把握し、必要に応じて専門家のサポートを活用しながら、利益の残る店舗運営を目指しましょう。

記事監修者

岩下直人

岩下 直人

取締役 FOODGYM事業部長

世界的アパレル企業で店舗マネージャーを経て、2014年OAGコンサルティングへ。
FOODOAGの黎明期からキャッシュフロー経営をサポートするため、開業から数十店舗拡大中のお客様まで幅広く対応。
中小飲食企業の外部CFOとなるべく、奮闘中。

運営元・専門家監修について

当サイト「FOODGYM」は、飲食業界に特化した税務・経営支援のプロフェッショナルである
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