経営
2026/01/19
飲食店経営は、仕込み・接客・人材管理・集客など日々の業務に追われ、税務や経理まで手が回らないと感じる方も多いでしょう。そのため「税理士に丸投げしてしまっても大丈夫なのか?」と疑問を持つ飲食店オーナーは少なくありません。
本記事では、税理士への丸投げが可能なのか、そのメリットと注意点、そしてFOODGYMが考える理想的な関係性について解説します。
忙しい飲食店経営の中で、税務や経理をすべて税理士に任せたいと考える方は多いものです。結論から言えば、税務を丸投げすること自体は可能ですが、その意味や前提を正しく理解しておくことが重要です。
結論として、飲食店の税務業務を税理士に丸投げすること自体に問題はありません。
記帳代行や申告業務、税務署対応などを一括して任せることは、多くの税理士事務所が提供しているサービスです。実際、日々の業務に集中したい飲食店オーナーにとって、税務を専門家に任せることは合理的な選択と言えます。
ただし「何を任せるのか」「どこまで関与するのか」を整理しないまま任せきりにするのは注意が必要です。
現在では、飲食店向けに「丸投げOK」を打ち出す税理士事務所も増えています。
レシートや通帳を渡すだけで記帳から申告まで対応するサービスは、手間を減らしたい経営者にとって魅力的でしょう。
ただし、こうしたサービスはあくまで税務処理が中心であり、経営改善や将来設計まで踏み込まないケースも少なくありません。丸投げの内容を誤解すると、期待とのズレが生じやすくなります。
飲食店オーナーが丸投げを希望する理由として多いのは、「時間がない」「数字が苦手」「税務が難しい」という点です。
特に開業直後や少人数経営の場合、経理作業に時間を割く余裕がなく、後回しにしてしまいがちです。また、税務の知識不足による不安から、専門家に任せたほうが安心だと考える方も多いでしょう。
こうした背景を理解したうえで、丸投げの使い方を考えることが大切です。
「丸投げ」と言っても、税理士に任せられる業務には明確な範囲があります。どこまで対応してもらえるのかを理解しておくことで、不要なトラブルを防ぐことができます。
税理士に丸投げできる代表的な業務が、日々の記帳代行や会計入力です。
売上や仕入れ、経費などのデータをもとに、会計ソフトへの入力を代行してもらえます。これにより、オーナー自身が帳簿をつける手間が省け、入力ミスや記載漏れのリスクも減らせます。
ただし、元となる資料の提出や売上管理自体は、店舗側で正確に行う必要があります。
月次での試算表作成も、税理士が対応できる業務の一つです。
毎月の損益を把握できる試算表は、経営状況を確認するために重要な資料です。丸投げの場合でも、試算表を確認し内容を理解する姿勢がなければ、数字を活かした経営判断ができなくなってしまいます。
個人事業主の確定申告や法人の決算申告は、税理士の専門領域です。
飲食店特有の勘定科目や原価管理を踏まえた申告が可能となり、税務リスクを抑えられます。丸投げにより、期限管理や書類作成の負担が大きく軽減されます。
従業員を雇用している飲食店では、年末調整や法定調書の作成も発生します。これらも税理士に任せることで、煩雑な手続きをスムーズに進めることができます。
特にスタッフの入れ替わりが多い店舗では、大きなメリットとなります。
税務署からの問い合わせや税務調査への対応も、税理士に任せることが可能です。専門家が窓口になることで、精神的な負担が軽減され、適切な対応が期待できます。
ただし、経営判断や売上改善といった領域までは、基本的に丸投げの範囲には含まれません。
税務を丸投げすることで得られるメリットは多く、特に忙しい飲食店経営者にとっては大きな価値があります。
経理作業や申告準備には想像以上の時間がかかります。これらを税理士に任せることで、オーナーは接客や店舗改善といった本来の業務に集中できます。
時間的余裕が生まれることで、結果的に売上やサービス品質の向上につながるケースも少なくありません。
税務は専門性が高く、知識不足によるミスが発生しやすい分野です。税理士に任せることで、申告漏れや誤った処理のリスクを減らすことができます。
特に飲食店は現金取引が多いため、専門家のチェックが重要になります。
「税金のことが不安」「申告期限が怖い」といった精神的ストレスは、経営に悪影響を及ぼします。税理士に丸投げすることで、こうした不安から解放され、安心して経営に専念できるようになります。
税務署からの連絡や調査対応を税理士が代行してくれる点も、大きなメリットです。専門知識を持つ第三者が対応することで、冷静かつ適切なやり取りが可能になります。
一方で、丸投げには注意すべき点も存在します。これを理解せずに任せきると、後悔につながることもあります。
すべてを任せきりにすると、売上や利益、原価率といった重要な数字を把握しなくなる恐れがあります。数字を見ない経営は、問題の発見が遅れ、改善の機会を逃す原因になります。
税務処理だけを行う税理士の場合、積極的な節税提案や資金繰りの助言が受けられないこともあります。本来であれば活用できた制度や対策を知らないまま過ぎてしまうケースも少なくありません。
「そこまでやってくれると思っていた」「そこは自分で判断すると思っていた」といった認識のズレは、丸投げにありがちな問題です。契約時に業務範囲を明確にしておかないと、トラブルに発展することもあります。
税理士の中には、依頼された業務のみを淡々とこなすタイプもいます。経営改善や将来の相談を期待している場合、物足りなさを感じるかもしれません。
すべての飲食店に丸投げが最適とは限りません。店舗のフェーズによって向き・不向きがあります。
開業直後で人手が足りない場合や、1店舗のみで運営している段階では、丸投げによる負担軽減は有効です。まずは店舗運営を軌道に乗せることが優先となるため、税務を任せる選択は合理的です。
多店舗展開を考えている場合や、資金繰りに不安がある場合は、丸投げだけでは不十分です。数字をもとにした経営判断が求められるため、税理士との連携が重要になります。
安定経営を目指すなら、税務は任せつつ、経営面では一緒に考える伴走型の関係が理想です。これにより、単なる処理代行ではなく、経営のパートナーとしての価値が生まれます。
FOODGYMでも事務処理の丸投げ対応は可能ですが、それだけでは安定した飲食店経営は実現できないと考えています。
税務処理は専門家に任せつつ、経営判断はオーナーと一緒に考える。これがFOODGYMの基本スタンスです。数字を共有し、理解したうえで意思決定することが重要です。
月次試算表を活用し、売上や原価、人件費を可視化することで、問題点を早期に発見できます。数字を「見る」だけでなく「使う」支援を行っています。
単なる丸投げではなく、経営全体を見据えた提案を行う点がFOODGYMの特徴です。
飲食店支援に特化してきた経験をもとに、売上構造・原価・人件費・資金繰りまでを踏まえて数字を整理し、経営判断に活かせる形で共有します。税務処理だけで終わらず、将来を見据えた意思決定を支える「経営パートナー」として伴走する点が、他の税理士事務所との大きな違いです。
「税理士はいらないのでは?」と感じている飲食店オーナーの多くは、過去に「頼んでも思ったほどの効果がなかった」「コストの割に相談しづらかった」といった経験をお持ちかもしれません。
たしかに、税理士によっては定型的な業務対応のみで、売上や資金繰りへの実質的なアドバイスが得られないケースもあります。
しかしながら、店舗の運営フェーズや今後のビジョンによっては、税理士が果たすべき役割も変化します。「いらない」と感じる前に、自分の店舗にとってどのような支援が必要なのかを整理することで、必要なサポート像が見えてくるはずです。
詳しくは👉 「飲食店 税理士 いらない」 の記事でも解説しています。
飲食店の税理士への丸投げは決して悪い選択ではありません。しかし、任せきりにするのではなく、「何を任せ、何を一緒に考えるか」を見極めることが重要です。
税務の効率化と経営の安定を両立させるために、信頼できる税理士とタッグを組み、長期的な視点で店舗運営を考えていきましょう。