経営
2023/01/24
飲食店の開業に憧れを持つ方は「実際に飲食店オーナーはどれくらいの年収を得られるのか」という点が気になるのではないでしょうか。飲食店を開業したいけれど、収入面が不安でなかなか勇気が出ない、という方もいるでしょう。
そこでこの記事では、飲食店オーナーになりたいと考える方が気になる以下のポイントについて解説していきます!
「飲食店オーナーの年収はどのくらい?」
「飲食店オーナーの年収の取り分は?」
「飲食店オーナーの年収を上げる方法」
飲食店は人気が出ると多くのお金を得られる一方で、客足が伸びずに早期閉店に追い込まれるお店も少なくありません。事前に飲食店オーナーの年収や取り分の決まり方、年収を上げる方法を理解し、安定した経営を叶えましょう。
飲食店を開業する際にどうしても気になる収入事情。飲食店オーナーの年収や取り分はどれくらいなのでしょうか。
飲食店オーナーの平均年収は600万円程度です。国税庁が発表した2020年度の「民間給与実態統計調査」によると、男女を合わせた会社員の平均年収は433万円でした。そのため一般的な社会人と比較すると、飲食店オーナーの方が1.5倍ほど収入が多いことがわかります。
「飲食店」とひとくくりにして年収の目安を紹介しましたが、業態やジャンル、規模の大きさや店舗の数によって収入に幅があります。あくまで参考程度になりますが、以下が業種別の飲食店オーナーの年収目安です。
業種 | 年収の目安 |
---|---|
居酒屋 | 300万円~2,500万円 |
レストラン | 400万円~600万円 |
定食屋 | 300万円~2,500万円 |
カフェ | 200万円~1,000万円 |
ラーメン屋 | 800万円程度 |
バー | 300万円程度 |
飲食店オーナーは会社員と違い、月給や年収が固定で定められているわけではありません。飲食店の売上から「取り分」が生まれるのです。売上から店舗を営業するために必要な経費を差し引いた金額が飲食店オーナーの取り分になります。
飲食店の経費とは、主に食材原価・人件費・家賃・光熱費・広告宣伝費・その他雑費などが当てはまります。各経費の主な割合は飲食店の業態や業種によって異なりますが、以下の数値が望ましいと言われています。
上記の各項目を合計すると90%になるため、飲食店オーナーの取り分として残るのは10%程度です。つまり、飲食店の売上が月800万円ならオーナーの取り分は80万円程度、年収にすると800万円程度という計算になります。
飲食店オーナーの年収は店舗の利益がそのまま収入に直結するため「どうすれば多く利益を残せるのか」という点を常に考えながら経営することが重要です。
そこで、ここでは飲食店オーナーが年収を上げるための具体的な戦略や工夫についてご紹介します。
年収が高い飲食店オーナーは「多店舗展開」している方が多い傾向にあります。なぜなら複数の飲食店を持つと当然見込まれる売上が大きくなるため、飲食店オーナーの取り分も大きくなる可能性があるからです。2店舗目が1店舗目と同様に利益を残すことができれば、年収は倍になるでしょう。
多店舗展開に踏み切る前には、1店舗目に安定した利益率があるか、自己資金が確保できているかなど、前提条件を満たしているかを確かめましょう。
「飲食店の多店舗展開」の記事はコチラ
飲食店の経費のなかでも大きな割合を占める「人件費」は、オーナーが自らシフトに入ることで容易に削減することができます。先ほども紹介したように、人件費の割合は全体の30%を目安にしてシフト作成をおこないましょう。
人件費を削ることはすぐに実践できる方法としておすすめですが、無理に削るとお店のサービスの質が上がったり従業員の負担が大きくなったりしてしまい、客離れや従業員の離職に繋がるリスクが発生します。
オーナー自身もシフトに入り、時間帯ごとの適切な人員配置に努めましょう。
飲食店の客数を増やすことで1度に収容できるお客さんの人数が増え、結果的に売上増加が期待できます。どれだけ人気の飲食店でも、お客さんが店内に入れなければ売上は上がりません。
もしこれから飲食店の開業を検討している場合は、希望年収から逆算して客数が何席あれば その収入が叶うのか、事前に考えておくと良いでしょう。
飲食店オーナーの年収を上げるためには、客単価を上げることも有効的な方法です。来店したお客さん1人1人の単価が上がれば、当然売上も上がります。席数や回転率は変わらずとも、客単価が1.5倍になれば、売上も1.5倍になります。
飲食店の客単価を上げる具体的な方法としては、メニュー価格の見直し、サイドメニューを充実させる、セットメニューを作成するなどがあります。
また、注文時に店員からおすすめメニューを紹介する、ドリンクが空いたら追加注文を聞くなど従業員による接客面でも工夫できることがあるでしょう。
すぐにでも実践でき、かつ需要が大きいのがテイクアウトやデリバリーです。飲食店の席数なども関係なく、無制限に商品をお客さんに届けられます。おうち時間やテイクアウト文化が定着した今、飲食店には欠かせないサービスでしょう。
店内と同じランチメニューや、テイクアウト限定メニューを提供することで大きな売上向上が期待できます。
「デリバリーを実施すると人手不足になりそうで不安」というオーナーには配達代行サービスがおすすめです。人件費を増やすことなくテイクアウト・デリバリーを始められます。
飲食店オーナーは、年収を上げるために売上を上げる方法ばかり考えてしまいがちですが、数値管理を徹底することもとても重要です。売上はあるのに利益が残らない飲食店は、経費管理ができていません。
売上に対して経費はどのくらい使って良いのか、各経費の割合が大きすぎていないか、常に数値を意識して経営を続けましょう。
利益や売上の目標、店舗の現状を把握するためにおすすめなのが「損益計算書」です。売上に対してどのくらい使っているのか、何%利益があるのかなどを可視化できるため、飲食店の現状把握、分析、改善に役立つでしょう。
飲食店を出店する際に「立地」は来客数を左右する重要なポイントになります。メニューやサービス内容は出店後にも変更できますが、立地はなかなか変えられません。
人通りが多く、かつそのエリアに需要があったり、客層にマッチする飲食店であれば売上を安定して伸ばせるでしょう。
これまで飲食店オーナーが年収を上げる方法をご紹介しましたが、一方で年収が低くなりやすい飲食店も存在します。飲食店オーナーになる前に、失敗しやすい飲食店の特徴を押さえておきましょう。
年収が低くなりがちな飲食店は主に以下の特徴を持ちます。
このように、年収が低くなりがちな飲食店は適切な経営管理ができていないことで利益が思うように残らないケースがほとんどです。飲食店オーナーになりたい場合は、事前に飲食業界と経営の正しい知識を持つようにしましょう。
この記事では、飲食店オーナーの年収についてご紹介しました。会社員と違い、店舗の利益が大きければ大きいほど収入も増えていきます。そのためにはしっかりとした経営の知識も必要です。
今回ご紹介したポイントを押さえ、高収入の飲食店オーナーを目指しましょう!