経営
2022/12/21
飲食店の開業を検討している方のなかには「規模の小さい飲食店に経営理念は必要ないのではないか」と考えている方もいるでしょう。しかし、店舗の規模の大きい小さいに関係なく経営理念は必須です。
この記事では、飲食店の開業を検討している方が疑問に持ちやすい、以下の項目について解説していきます!
「飲食店の経営理念の必要性は?」
「飲食店の経営理念を浸透させるには?」
「飲食店の経営理念の目的を知りたい」
飲食店における経営理念の必要性をきちんと理解し、店舗全体へと浸透させましょう!
「経営理念」という言葉自体は耳にしたことがあるものの、深く理解している方は多くありません。経営理念の必要性を学ぶ前に、そもそも経営理念とはなにか、意味を理解していきましょう。
経営理念とは、企業の目指すべき方向など、活動方針の基礎になる基本的な考え方のことを指します。創業者の思いや意思が込められており、その店舗の価値観や存在意義などが示されています。
飲食店を経営する土台にあたるものになるため、たとえ席数の少ない小さな飲食店であったとしても、経営理念は定めておくことが望ましいと言えます。
「経営理念」とまとめられることが多いですが、①ビジョン②ミッション③バリューの3つに分類できます。企業が目指すべき姿、例えば「出店地域で1番の売上を誇る」「顧客満足度100%」など、店舗の位置付けを表すのがビジョンです。
2つ目のミッションでは使命、任務といった意味をもち、ビジョンを叶えるために「何をするべきか」という点を定めていきます。例を挙げると「お客さんに最高品質の商品を提供する」などがあり、何のために、誰に、どのようなサービス・価値を提供する存在なのか、企業活動の原動力となるものを突き詰めます。
定めたミッションを達成するために、具体的に「何を重視していくべきか」を示すものがバリューです。バリューは店舗全体に共通した価値観、価値の基準を指し、例えば「常にお客様の満足度を第1に考える」などが挙げられるでしょう。
この3つを軸として経営理念を明確にさせる必要があります。
経営理念と似たような言葉に「目標」がありますが、この2つの意味は大きく異なります。簡潔に説明すると、目標とは「今月の売上は〇〇円以上!」や「前年比120%超えを目指す!」「来春までに2号店出店!」など、行動の対象となる的のことです。
一方で経営理念は目的と似ており、飲食店を経営している理由はなにか、どのような飲食店になりたいか、今後どのような変化をしていきたいか、という考え方です。
目標は数値を用いるなど、明確かつ具体的に設定できますが、高く掲げすぎるとお店全体が息切れしてしまい、モチベーションも下がるリスクが生じます。
経営理念は高く掲げても、周囲の人間を巻き込んでお店を良い方向へと導けるものなのです。
目標と経営理念の違いを理解できたところで、次にお伝えしたいのが経営理念の必要性です。繁盛している飲食店には経営理念があるケースが多く、成功するには必須条件とも言える経営理念の重要性について見ていきましょう。
経営理念こそ飲食店経営の全て、とも言えるほど経営理念を掲げることは重要です。「なぜ経営理念が必要なのか」と疑問に思っている方は、まず経営理念がなければどうなってしまうのかを考えてみましょう。
経営理念がない飲食店には、明確に目指すべきものがない、飲食店が開業されたのか由来もわからない、理想の飲食店の形がない、店舗の必要性がわからない、などお店がぼやけた状態になってしまうのです。
従業員が持つそれぞれの価値観で店舗の形が決まってしまい、お店に一体感が生まれません。
ここまでは、経営理念に関する基本知識や必要性について説明していきました。ここからは、飲食店が経営理念を設定することにどんなメリットがあるのかをご紹介します。
1つ目のメリットは、経営理念が飲食店の経営に関する決断の判断基準になることです。飲食店にはさまざまな価値観や性格を持つスタッフがいますが、経営理念という店舗の軸となるものがあると、同じ方向を向いて営業することができます。
店長が不在の日でも、共通認識として経営理念が各従業員に浸透していれば、ばらつきのある行動をとることはありません。
経営理念の存在は、従業員のモチベーションが向上するきっかけにもなります。これは、従業員のメリットでもあり、お店全体のメリットにもなります。経営理念が掲げられていると、従業員は飲食店に必要な一員であることを強く自覚できます。店舗が目指すべき姿があって、それに向かって何を意識して業務すべきか理解し、自身の業務に対するやりがいを大きく感じられるでしょう。
経営理念を設定している飲食店は自主的に行動する従業員が多く、お店の成長も大きく、速くなります。
経営理念を掲げることは飲食店内の成長だけでなく、外部からのお店の価値や印象の向上にも繋がります。経営理念は短い文章であるため、店内やSNS、ホームページを利用して発信することも容易です。
継続してブランドイメージを外部へと浸透させることで、すこしずつ飲食店の認知度を高めることができ、結果的に顧客の獲得につながるのです。
経営理念を掲げる飲食店のなかには、なかなか浸透しないことに悩みを抱えているケースも少なくありません。きちんと経営理念が浸透しない原因を把握し、対策を取ることが重要です。
経営理念の存在を知ってはいるものの、必要性をいまいち理解していない従業員にはなかなか浸透しないでしょう。せっかく作成した経営理念も、飲食店に関わる従業員全員が共通認識として持っていないと意味がありません。朝礼の時間やミーティングを活用して、経営理念とその意味を共有するようにしましょう。
また、組織の一員として働くこと、経営理念がないとどのような状態に落ちいるのかという部分もあわせて指導しましょう。
もしも自身の持つ飲食店の経営理念が浸透していない場合は、まず自分が経営理念を大切にしているか、体現化しているかを振り返ってみてください。組織の代表が経営理念に反した行動、言動をしていたり、お客さんや従業員、関係者を大切にしていたりすると、経営理念が浸透するはずがありません。
従業員の見本として自覚し、経営理念に基づいた行動、言動を心がけましょう。
この記事では、飲食店の経営理念について説明していきました。経営理念は店舗の方向性を定める重要なものです。経営におけるゆるぎない判断基準になり、従業員のモチベーション向上や顧客の拡大にもつながります。
自身はもちろん従業員にも経営理念の必要性を共有し、同じ方向を向いた統一性のある飲食店を作り上げましょう!
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