経営
2022/10/26
飲食店を運営するにあたって重要なオペレーション。オペレーションとは使用する場面によって様々な意味を持つ言葉ですが、主にビジネスでは目標を達成するための手順を指す言葉として用いられています。
しかし、飲食店におけるオペレーションの意味をしっかり理解している方は少ないのではないでしょうか。
今回の記事では、飲食店を運営するにあたって理解しておきたい疑問点
「飲食店のオペレーションとは何?」
「飲食店のオペレーションの効率化について知りたい」
「飲食店のオペレーションは重要?」
などについて解説していきます。飲食店の成功と深く関係するオペレーションについて理解し、是非役に立ててください。
オペレーションとは、運営に関する業務を管理する流れや手順を指しますが、飲食店においては以下の3つの役割を持ちます。
①キッチンオペレーション
②フロアオペレーション
③バックヤードオペレーション
各オペレーションには、それぞれどんな役割があるのでしょうか?
キッチンでの調理や、それに関わる作業のことをキッチンオペレーションといいます。たとえば、スムーズな調理工程や料理の品質、使用する食材の適切な保管に関する作業が当てはまります。
飲食店におけるフロアオペレーションとは、お客さんの来店から退店までの接客に関する作業のことです。来店時・退店時の挨拶や席への案内、商品の提供、会計など、お客さんに直接かかわる業務がフロアオペレーションのなかに含まれます。
キッチン・フロアオペレーションのようなお客様と直接関わる作業とは違い、飲食店の営業を支える裏方的業務をバックヤードオペレーションといいます。食材や備品の仕入れや在庫管理、シフトや売上のコントロールなど、飲食店を運営するための土台となる役割を持ちます。
なぜ、飲食店の運営においてオペレーションが重要視されているのでしょうか。オペレーションを最適化することでどのようなメリットがあるのか、飲食店での重要性について解説していきます。
飲食店で発生する作業の手順をしっかりと言語化することで、サービスの品質が均一に保てます。言葉だけで作業を伝達していくと、伝え方の違いによって次第に手順が変化してしまうことになりかねません。
一方でオペレーションのマニュアルがあると「今日のランチは美味しくなかったな」「この店舗は接客の質が悪い」など質がバラバラになるリスクを軽減できるのです。
自分は円滑にできていると感じていても第三者からみると改善するべき点がある、ということはよくあります。オペレーションマニュアルに沿ったチェックをおこなうことで、自分の改善点が明確に分かり、業務効率やサービスの質の向上へと繋がるのです。
そのため、マニュアルには各ポジションのオペレーションを細かく記載し、より改善点の詳細が分かるように作成すると良いでしょう。
飲食店において業務効率化・適正化が必要となる場面のひとつに「新人教育」があります。「教育に時間を割くことが出来ない…」「教える人によって育ち方が違う」など新人教育に悩みを抱える飲食店は少なくありません。
業務のオペレーションを記したマニュアルがあれば、作業の基本を自習したり、均質な教育をおこなうことができます。マニュアルを1部渡して、メモや復習ができるようにすると良いでしょう。
飲食店のオペレーションに3つの役割があるように、マニュアルにも大きく分けて3つの種類が存在します。それぞれ、どんな内容が記載されているのでしょうか。それぞれの役割について解説していきます。
まず、その飲食店において土台となることを示したのが「基本マニュアル」です。業務の具体的なオペレーションよりも、企業理念や店舗のコンセプト、目指したい接客などのスタッフの心構えを示しています。
そのほか、服装や髪色など身だしなみや出退勤時に関することなど、店舗規則が記載されている場合が多いです。飲食店で働くうえで必要な意識を従業員全体で統一できる重要なマニュアルになります。
業務マニュアルとは、文字どおり飲食店の営業において必要な作業内容を具体的に説明したものです。業務を担当する場所によって、キッチン・フロアマニュアルなどに分類されていることもあります。
たとえば、オーダーを受けるときの接客方法や提供時におこなう料理の補足説明、電話対応の手順などが業務マニュアルに含まれます。業務マニュアルはお客さんに直接関わるものであるため、より細かい手順の記載や判断基準の明確化が求められます。
緊急時用マニュアルとは、通常起こらないイレギュラーな出来事に対応するための手順を記載したものです。
飲食店の代表的なイレギュラー事態として、お客さんからのクレームや被害が大きくなりうるミスの発生などがあげられます。イレギュラーな事態は早急かつ適切な対応をおこない、少しでも被害を抑えることが大切です。
店舗責任者の不在時や自然災害が起きた場合などの万が一の場面でも、冷静に対応できるようなマニュアルを作成しておきましょう。
いざ飲食店のオペレーションをマニュアルに落としこむ、となってもどのように作成したら良いか迷ってしまうのではないでしょうか。作成時のポイントを押さえてから作成に入ることで、より精度の高いオペレーションマニュアルを作ることができます。
ひとつ目のポイントは「どうしてオペレーションマニュアルを作成するのか」という部分を明確にすることです。サービスの質を一定にする、無駄なコストを省くなどの「目的」をはっきりしてから作成にはいることで、実用性に優れたマニュアルになります。
マニュアルを作成するにあたって、飲食店の1日の営業で一体どんな作業が発生しているのか洗い出しをおこないましょう。漏れがないように業務をすべて洗い出し、同時に改善すべき点やマニュアル作成前の作業ルールを書き込んでいきます。
必要であれば従業員のヒアリングをおこない、業務負担や店舗をより良くするための意見も把握するとよいでしょう。
洗い出した業務やルールなどの情報を整理していきます。基本・ホール・キッチン・緊急時の各マニュアルに業務を割り振っていきます。項目を分類することで必要なときにすぐに確認でき、使いやすいマニュアルになります。
マニュアルごとに目次を作成すると、さらに必要な情報へ辿り着きやすくなります。流れを意識しながら目次を作成し、複数のマニュアルで使いまわせる形にすると統一感のある読みやすいものに仕上がります。
オペレーションマニュアルが完成に近づいてきたら、1度従業員にチェックしてもらいましょう。業務の記載漏れや情報不足、追加で記載すべきことなどがないか、現場をよく知る従業員が確認することで、より良いマニュアルを作成できます。
飲食店におけるオペレーションマニュアルは作成して終わりではなく、継続して運用することが大切です。オペレーションマニュアルを効率化するためのポイントを押さえて、最大限に活用していきましょう。
マニュアルを作成したあとも、メニューの変更時やお客さんの要望に合わせて更新が必要になってきます。さらなる効率化を目指して定期的に見直しを行っていくべきしょう。
コンスタントに修正をおこなっていくことで、より現場に近い、時代のニーズに沿った精度の高いマニュアルを使用し続けることができます。
オペレーションマニュアルの効率化には、実際に業務に従事する従業員の意見を取り入れることが大きなポイントとなります。現場の声をマニュアルに落とし込むことで、店舗の状況把握はもちろん、クレームの回避にも繋がります。
せっかく良いマニュアルを作っても手に取りにくい場所で保管してしまうと、活用されない形ばかりのものになってしまいます。店舗のバックヤードなど決まった場所で保管して、全従業員がすぐに確認できるようにしておきましょう。
オペレーションを統一しサービスの質を統一するためにマニュアル作成は非常に有効です。しかし、お客様に関わるイレギュラーな事態などは、必ずしもマニュアルが正しいとは限りません。
必要に応じて臨機応変な対応をしていかなければいけない場面もある、ということも従業員に共有しておくと良いでしょう。
今回の記事では、飲食店におけるオペレーションの重要性や種類、マニュアル作成についてご紹介しました。飲食店にはキッチン・フロア・バックヤードの3つのオペレーションがあり、適したマニュアルを作成することで業務効率化が叶います。
店舗のサービスの質を統一してお客さんに満足してもらうために、精度の高いマニュアル作りをしていきましょう!
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