開業
2024/01/25
ラーメン屋で修行を積んだ人や脱サラした人の中には自分のラーメン屋を経営したいと思う人は多いです。ラーメン屋は飲食店の業種の中でも比較的開業しやすいと言われてます。
そのため開業する飲食店としては人気なためライバルも多いです。そしてラーメン屋を開業しようと考えている人の多くは、開業資金が実際にいくら必要になるのか気になる人も多いのではないでしょうか?
また、開業資金を用意できたとしても、ライバルの多い中で成功するためにはどうしたらいいのでしょう。できればそういったコツのようなものは事前に知っておきたいところです。
今回の記事では、そもそもラーメン屋の開業には何が必要なのか、開業資金の具体的な金額や成功するポイントなどについて徹底解説します。
ラーメン屋を開業するには、計画と準備が欠かせません。とはいっても、開業するための流れを把握している方は少ないでしょう。
開業前に知っておきたい準備とコツを事前に押さえておきましょう。
ラーメン屋を立ち上げる際、店舗の選定と準備はキーとなります。新規店舗を建設する以外にも、”居抜き物件を利用する”という選択肢があることを覚えておきましょう。
新しく店舗を建てる場合、まずは適切な物件を見つけることが始まりです。その後、内外装工事が必要です。内装では店の雰囲気づくり、外装では看板や外観を整えることが求められます。
また、 ラーメン屋では特に厨房の機能性が重要です。適切な厨房設備を導入することで、効率的な運営が可能になります。
居抜き物件を選ぶと、既存の設備を活かしてスムーズに開業できます。これにより、内外装工事や厨房の設備投資が削減でき、結果的に開業資金を押さえられます。
既存の状態からのスタートなので、内外装工事や厨房設備の導入も小規模に留められます。
どちらを選ぶにせよ、物件の選定は事業の成功に大いに影響します。規模やコンセプトに合った物件を見極め、効果的な開業の土台を築くことが不可欠です。
ラーメン屋を開業するには、特定の資格や手続きが必要です。飲食店の運営には様々な法令が絡むため、正確な資格取得と手続きが求められます。
以下、必要な資格と必要性、取得方法をご紹介します。
役割:食品衛生法に基づき、店舗内での食品衛生管理を担当。
取得方法:都道府県主催の講習を受講し、資格を取得。
必要性:食品衛生法に基づいて、営業を始めるための許可。
取得方法:保健所で営業許可申請書を提出。設備や衛生面での審査があり、合格すれば許可が交付される。
注意点:食品衛生責任者の資格が必要。手数料は営業形態や保健所によって異なる。
必要性:収容人数が30人を超える場合、防火管理者の資格が必要。
取得方法:都道府県主催の防火管理講習を受講し、資格を取得。
注意点:店舗の広さにより甲種または乙種防火管理者の資格が必要。
ラーメン屋の開業には多くの段階がありますが、それと同じくらい重要なのが、ラーメン店の魅力であるラーメンや餃子などのメニュー開発です。
ラーメンの味においては、スープや麺のレシピ、トッピングのバリエーションだけでなく、サイドメニューに至るまで検討しましょう。
一度メニューが決まったら、原価を効果的に抑えるためにも、慎重に仕入れ先を選定する必要があります。顧客満足度を維持しながら原価を最適化するために、各材料の費用や配送料を計算してください。
集客と売上の向上を図るためには、ラーメン店の独自のコンセプトに基づきつつも、味にこだわり続けることが不可欠です。
ラーメン屋の開業には初期費用と運転資金という2つの資金が必要です。ここでの初期費用とは内装や外装の工事費用、物件取得費用のことを言います。そして運転資金とは運営していく上で必要な資金のことを言います。
では実際にこの2つの資金はどれくらいかかるものなのでしょうか。詳しく解説していきます。
ラーメン屋の開業を始めるうえで、以下の費用が必要になります。物件取得費、内外装工事費、厨房設備費、資格取得費、広告宣伝費です。
これらの開業に必要な初期費用は、立地条件によって大きく変化します。とは言え、ラーメン屋の開業資金は平均的に1,000万円〜1,500万円ほどかかると言われています。
ラーメン屋の開業に必要な運転資金は、店舗を運営していく上で必ず必要になる資金です。主な費用として、人件費、賃貸料、原材料、水道光熱費、広告宣伝費があげられます。
1ヵ月あたりの費用は、店舗の規模や売上金額、雇用するスタッフの数により変動します。
それでは初期費用と運転資金の内訳と金額を詳しく解説していきましょう。
例えば店舗規模が12坪、賃貸料20万円とした時に、実際にかかる開業資金について解説します。物件取得費用は家賃×10ヶ月分を目安にすると良いでしょう。
物件取得費 | 200万円 |
---|---|
内外装工事費 | 360万円 |
厨房設備費 | 120万円 |
広告宣伝費 | 50万円 |
資格取得費などその他の費用 | 20万円 |
合計 | 750万円 |
物件取得費用は家賃×10ヶ月分を目安にすると良いでしょう。
※参考記事:飲食店を開業するなら優良物件で!探し方や費用など徹底解説
内装外装工事費については居抜き物件かスケルトン物件かでも変わってきます。
人件費 | 120万円 |
---|---|
賃貸料 | 60万円 |
材料費 | 180万円 |
水道光熱費 | 30万円 |
広告宣伝費 | 30万円 |
合計 | 420万円 |
運転資金は主に人件費や賃貸料などがあり、店舗の規模や仕入れなどによって変動します。また3ヶ月〜6ヶ月分にかかった金額を目安に、毎月必ずかかる固定費を常に手元に用意しておくと安心です。
おおよその開業資金の目処が立った場合、自己資金で足りない部分は金融機関の融資制度を検討しましょう。
融資制度や実際の借り方について詳しく知りたい方は下記の内容をご参照ください。
参考記事:飲食店の開業資金はどれくらい?融資制度を活用して開業しよう!
参考記事:開業資金の借り方を知ろう
開業資金が用意できたとしてもラーメン屋はライバルが多く他のお店との差別化や廃業しないための工夫が必要です。ここでは成功するポイントを7つ紹介していきます。
開業資金が多ければ良いというわけでもありません。先ほどは12坪での開業資金の目安をお伝えしましたが、ラーメン屋は10坪以下でも開業は可能なのです。
条件次第で物件取得費用も更に抑えられる方法があります。それは居抜き物件を活用するという方法です。譲渡料が無料であればさらに内装工事費や設備費が抑えられるので、費用をできるだけ抑えたいという方にはかなりおすすめの方法と言えるでしょう。
また、自己資金で足りない分は借り入れすることも可能です。
借入や融資について詳しく知りたい方は下記の内容をご参照ください。
参考記事:飲食店の融資面談はどんな審査?成功するポイントを徹底解説
初期費用と運営資金を合わせた開業資金は、余裕をもって作っておくのがベストです。内装工事費用が想定よりもかかってしまったなど、予想外のことは起こるものだとして考えておくのが安全です。
運営資金に余裕があると集客が芳しくなった際に販促費として使うことができますし、味の改良や新しいメニューの開発費にも使うことができるからです。
ラーメン屋の人件費は1ヵ月あたり売上の20%〜30%が目安となります。ただし小さい店舗なら、店長1人もしくは少しのスタッフで経営可能なため人件費は抑えられます。また、券売機を設置することで注文から会計がお客様自身でできるため、ラーメン屋にはおすすめの人件費対策となります。
実際に1人でも独立開業ってできるのか詳しく知りたい方は下記の内容をご参照ください。
参考記事:1人で飲食店を開業するには?メリットや準備方法など徹底解説!
ラーメン屋の運営資金で一番かかってくるのは食材費です。ラーメン屋の原価率は平均で30%〜35%ほどかかります。仕入れた食材に対して適正な価格で売る必要があります。
ラーメン屋は自身のこだわりを反映させやすい分、こだわり過ぎると提供価格が高くなります。お客様は安くておいしいラーメン屋へ行ってしまいます。こだわり過ぎて結果赤字になったとならないように注意しましょう。
ラーメン屋を経営していく上で利益率を挙げることが重要になりますが、ラーメンのメニューが豊富過ぎることが利益率を低下させてしまう原因の1つと言われています。
醤油や塩、味噌、豚骨など豊富なメニューを提供するより、むしろ味のジャンルを1つに絞って提供することが結果的にお客様とラーメン屋の両方の利益になると言えるでしょう。
回転率を上げるためにお客さんを急かすわけにはいかないので、ラーメンの提供スピードをあげる必要があります。特にピーク時のバックヤードの業務や調理から提供までの流れを簡略化する必要があります。
導線の確認や万全な仕込みを行うことも大切です。早くラーメンが出てくるとお客さんも喜びますので、回転率を上げる工夫をしていくことが売上アップの鍵となります。
FacebookやTwitter、InstagramなどのSNSやホームページを活用することがリピーター獲得につながります。その場限りでない継続的な販促活動を続けていくことが重要です。特にTiwtterは多くのSNSの中でもリアルタイム性が高く、トレンドや話題を生み出しやすいのが特徴です。
ラーメンの新商品のプロモーション活動やラーメンの杯数の実況中継を発信するには最適なのでラーメン屋との相性は良いと言えるでしょう。
小規模なラーメン店では1日に作れるラーメンの数には限りがあります。今現在のラーメンは残り何杯なのかを発信できれば、せっかく食べに来たのに完売していた、提供できなかった、ということを防ぐことができます。
ネット上やTVなどで取り上げられる話題もSNS発のものは大変多く、TwitterなどのSNSの利用はメディアを味方につけ、売上のアップに有利に働くことでしょう。
ターゲットが絞れていればおのずとラーメンのメニューが厳選され内装も考えることができます。
● 一名利用に特化して仕切りのあるカウンター席の内装にする。
● ファミリー向けに、大盛りから小盛りが選べて女性や小さいお子さんでも食べられるメニューを用意する。
など、ターゲットを絞ることでリピーターの獲得につながります。
ターゲットは出店場所によって変化するので、事前に出店する店舗の周辺調査は必須です。実際に現場まで行って人通りなどを確かめるなど、自分の目で見てチェックすることも大事です。
ラーメン屋はライバルが多く差別化が重要です。麺やスープ、具材などお店独自の強みとなるものがあると利用していくお客さんの記憶に残り、リピーターの獲得につながります。なので独立開業の事前準備段階で自身が思い描くラーメン屋のコンセプトをしっかり計画することが重要です。
店舗コンセプトについて詳しく知りたい方は下記の内容をご参照ください。
参考記事:飲食店開業までの準備リストはこれで決まり!必要な準備を徹底解説
参考記事:お店のコンセプトを作ろう
今回の記事ではラーメン屋の開業資金についての説明と成功ポイントの詳細を説明しましたが、いかがでしたでしょうか?
ラーメン屋の開業資金には初期費用と運転資金があり、おおよそ1,200万円かかるということを一つの目安にしておきましょう。立地条件などをしっかりと考えて自分に合った無理のない開業資金で始めましょう。
開業についてお悩みなら、当サイトは年間50件以上の開業相談を受けている飲食店特化型戦略的財務支援サービスです。
「経営なんて未経験で何から始めたらいいかわからない」
「資金の細かい管理ができるか不安だ」
「資金調達はどうしたらいいの?」
FOODGYMが、今まで培ったノウハウを駆使し、独立・開業をされる方のお悩みを解決します。
まずはお気軽にお問い合わせください!