開業
2023/01/20
昔ながらの風情ある古民家を改装した、おしゃれで居心地の良い「古民家カフェ」。そんな古民家カフェに憧れを持つ方は多いのではないでしょうか。
「いつか古民家カフェを開業してお客さんの憩いの場として提供したい」という夢を持つ方もいるでしょう。そんな古民家カフェですが、開業に成功するためにはどのような流れで開業するのか、どのくらいの資金が発生するのか、などの部分を事前に把握しておく必要があります。
「古民家カフェの開業する流れは?」
「古民家カフェの開業に必要な資金とは」
「古民家カフェを開業するメリット・デメリットは?」
そこでこの記事では、上記のような疑問を持つ方に向けて、古民家カフェの開業について解説していきます!開業のメリット・デメリットもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
憧れの大きな古民家カフェを適切かつスムーズに開業するためには、開業までの大まかな流れを把握しておくと良いでしょう。
「古民家カフェ」は飲食店のジャンルのひとつのため、飲食店を開業するために必要な資格を取得しなければいけません。飲食店を開業するために必要な資格とは、主に「食品衛生責任者」と「防火管理者」の2つです。
飲食店の開業において食品衛生責任者の資格取得は必須であり、1店舗あたり最低1人は資格保有者を設置する必要があります。
一方で、防火管理者の資格が必要かどうかは店舗の広さによって異なります。古民家カフェが、お客さんと従業員を合わせて30名以上を収容できる広さがあれば資格が必要ですが、収容人数が30名未満であれば資格は不要です。
「飲食店開業の資格」についての記事はコチラ
古民家カフェの開業にとても重要になってくる要素のひとつが「立地」です。古民家カフェを開業させるにふさわしい場所を選定する必要があります。
場所は都会なのか、それとも田舎なのか、どこで開業をしたいのかという目的を明確にしておくことが大切です。実際に現地へ足を運び、古民家カフェのコンセプトに適した立地であるかを調査すると良いでしょう。
古民家カフェを開業させる立地が定まったら、次はカフェになる「古民家」を探す作業に入ります。新築や近代デザインの物件は、古民家カフェとしてふさわしくありません。
理想とする古民家カフェのイメージを湧かせながら、予算や保存状態も考慮して決めていきましょう。
立地や物件も決まったら、古民家カフェの開業に必要な手続きや申請を進めていきます。古民家カフェの開業に必要な手続きは主に以下のものがあります。
・開業届:事業を開始するための届出
・事業開始等申告書:店舗が所在する自治体へ提出
・飲食店営業許可(喫茶店営業許可):飲食店の開業に必要な許可
古民家カフェで提供するメニューがコーヒーなどの飲み物とトーストの調理のみであれば喫茶店営業許可を、様々なメニューを提供するなら飲食店営業許可の取得が必要です。
古民家カフェを開業する物件が決まったら、必要な設備や備品を揃えていきます。カップ類・食器類・テーブルや椅子・レジ用品やキッチン用品など、営業にはかなり多くの道具類を揃えなければいけないため、漏れのないようにしましょう。
食器や家具類を選ぶ際は、長く使えるかという面はもちろん、古民家の雰囲気にマッチしているかどうかも重要なポイントです。
古民家カフェの開業を検討している方にとって、「開業資金」の目安は事前に把握しておきたいことのひとつでしょう。
古民家カフェの規模や物件の保存状態によって異なりますが、リノベーションを含めて約500万円〜1,000万円が相場とされています。内装工事費用の相場は1坪約10〜60万円のため、古民家カフェが10坪の場合は約100〜600万円が目安になります。
自力で改修したり、もともと古民家カフェとして営業していた居抜き物件を取得したりすると費用が抑えられます。
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趣のある雰囲気が人気の古民家カフェですが、開業する側のメリットには何があるのでしょうか。ここでは、古民家カフェを開業すると得られる3つのメリットについてご紹介します。
古民家カフェは、他のカフェとの差別化がしやすい点が大きなメリットです。古民家が作り出すレトロな雰囲気に唯一無二の魅力があります。
現代の建物では作り出せない趣のある空間の中でゆったりとコーヒータイムを楽しめる、そんな古民家カフェには多くのファンが付くでしょう。
固定資産税が軽減されることも、古民家カフェのメリットのひとつです。土地や物件などの不動産を所有している方に課せられる税金「固定資産税」は、物件の築年数によって金額が決まります。そのため、自然と古民家の固定資産税は低くなります。
また、古民家は通常の物件と比較して物件取得費が安くなりやすい傾向にあります。特に、地方では「空き家問題」と呼ばれるほど空き家の数が増加しており、比較的安価で古民家を手に入れられ、初期費用が抑えられるでしょう。
古民家カフェは気軽に立ち寄りやすい雰囲気があり、周囲に暮らす方の憩いの場所として提供できます。お客さんはリラックスできる場所の確保ができ、経営側は顧客を増やすことにつながるため、経営の安定と地域の貢献を 両立できるでしょう。
古民家を改装してカフェに活用することは、メリットだらけではありません。当然デメリットも存在し、開業前に対策を考えておく必要があります。
古民家は、現代の技術が駆使されて建築された物件に比べると、どうしても断熱性や機密性で劣ります。なかには、現行の耐震基準を満たしていないこともあるでしょう。
屋内であるにも関わらず冷房や暖房の効きが悪いと、お客さんは心からリラックスできない可能性があります。リノベーションの際は古民家特有の雰囲気を残しつつ、断熱性や気密性の向上も配慮しなければいけません。
古民家カフェは初期費用が抑えやすかったり、差別化を図りやすかったりと開業のハードルが低いため、ライバルが多くなりやすい傾向にあります。また、現在はコンビニもスイーツやコーヒーに力を入れているため、他業種も競争相手になり得ます。
長年愛される古民家カフェを作るためには、周囲環境やお客さんのニーズの変化も敏感に感じ取って、常に成長を続けていく必要があるでしょう。
古民家カフェを開業するメリットとデメリットをご紹介しましたが、「コンセプト設計」と「集客」を入念におこなうことで成功への道は広がります。
古民家ならではの強みとカフェ全体に当てはまるポイントを組み合わせて計画を立てていきましょう。
競合の多い古民家カフェは、明確なコンセプト設定が重要です。なぜ古民家カフェで開業したいのか、どのような客層がターゲットになのか、どのようなメニューを提供するのか、という部分をしっかり設定していきましょう。
くわえて、古民家カフェであること以外にも魅力を付け加えていくと、さらなる差別化に繋がります。例えば「和を楽しむ古民家カフェ」「焼き立てパンが楽しめる古民家カフェ」など付加価値を加えたコンセプトを設定するとより良いでしょう。
コンセプトが明確になると、運営や集客の方法も定まってきます。
古民家カフェにおいて、特に重要になるのが集客計画です。カフェ業種は集客範囲が狭く、見込み客の数も少ないです。そのため、ありきたりの集客方法では経営を安定化させ、大きく成功させるのは難しくなってきます。
認知度を上げるにはSNSを活用した集客方法が効果的です。古民家カフェならではのおしゃれな雰囲気は、女性や若い子にも大きく人気があります。
お店のアカウントを作成して投稿を続けていくと口コミが広がり、遠方からもお客さんが訪れるようになります。
この記事では、古民家カフェの開業についてご紹介しました。古民家ならではの雰囲気による魅力や固定資産税を抑えられるメリットがある一方で、競合が激しいデメリットもあります。
明確なコンセプトを持ってSNSを活用した集客によって、古民家カフェの開業を成功させましょう!