飲食店ができるインバウンド対策とは?補助金や集客ツール・注意点

経営

2024/04/19

飲食店ができるインバウンド対策とは?補助金や集客ツール・注意点

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2023年3月に日本を訪れた外国人は181万7,500人となり、コロナ禍前の2019年3月の65.8%まで回復しました。そんななか、飲食店に求められているのはインバウンド客に対する対応です。

しかし、飲食店を開業してまもない方にとって、「インバウンド」は耳馴染みのないワードでしょう。

そこでこの記事では、飲食店のインバウンド対策について徹底解説していきます!

「飲食店ができるインバウンド対策とは?」

「飲食店が利用できるインバウンド対策の補助金とは?」

「インバウンド集客に役立つツールを知りたい」

上記の疑問を持つ飲食店経営者の方は、ぜひ参考にしてください。

インバウンドとは何か?飲食店における重要性

インバウンドの観光客「インバウンド客」「インバウンド需要」など、インバウンドに対する情報が増えてきましたが、そもそもインバウンドについて深く理解していないという方も多いでしょう。

ここでは、インバウンドの基本知識から、飲食店における需要増加の背景、対策を講じるメリットをご紹介します。

インバウンドの定義と概要

インバウンドとは、国外からの訪日旅行者や外国人観光客のことを指します。近年、日本への訪日外国人旅行者数は急増しており、彼らは日本の文化や食を楽しむためにさまざまな場所を訪れます。

反対に日本人が海外旅行にいくことは「アウトバウンド」と言います。

飲食店業界においてもインバウンド需要を取り込むことは重要視されており、訪日外国人旅行者の心をつかむ「インバウンド対策」が求められています。

飲食店における需要増加の背景

飲食店における需要増加の背景は、日本の食文化や料理が世界的に注目されていることや、安全で清潔な環境、親切な接客が評価されていることです。

また、日本政府の観光政策の推進やビザの緩和もインバウンド需要の増加に寄与しています。これらの要素が組み合わさり、飲食店は外国人旅行者にとって魅力的な目的地となり、需要が増えています。

飲食店経営者はインバウンド需要を見極め、適切な対策を講じることで、インバウンド客を取り込むことができるでしょう。

インバウンド対策をおこなうメリット

インバウンド対策をおこなうことにはさまざまなメリットがありますが、もっとも大きなメリットはインバウンド需要の増加によって売上や利益を向上できることです。

外国人旅行者の需要に応えることで、新たな顧客層を獲得し、ビジネスの拡大につなげることができるでしょう。

また、インバウンド対策は地域活性化にも貢献します。観光客が増えることで地域の経済活動が活性化し、雇用や地域への資金流入が促進されます。

さらに、インバウンド対策は国際的な知名度やブランド価値の向上もメリットのひとつです。外国人旅行者からの高評価や口コミを得ることで、飲食店の信頼性や魅力が向上し、他の顧客層への広がりが期待されます。

このように、飲食店がインバウンド対策をおこなうことは、多方面からのメリットにつながります。

飲食店がインバウンド対策前に確認したいポイント

飲食店にインバウンド対策が求められているからといって、焦ってとりあえずはじめてはいけません。期待した効果を得るためには、まず以下の3つのポイントを理解しましょう。

ターゲット層

まずは施策を考える前に、ターゲットを明確に定めることが重要です。

インバウンド客といっても、どの国から来たのかや来日の目的には多様性があります。観光客ごとに、日本の飲食店に対する期待や求める体験は異なるため、ターゲットを特定することが必要です。

地域や飲食店のジャンルなどを考慮し、訪れやすいインバウンド客の属性を把握し、それをターゲットに設定しましょう。

外国人目線・文化や宗教

次に、外国からの観光客の立場に立って、彼らのニーズや魅力を整理しましょう。

日本人にとって魅力的なものが、必ずしも外国人にとって魅力的とは限りません。逆に、日本人にとっては当たり前のものでも、外国人にとっては驚きや感動の対象になることもあります。

外国人の視点から、ニーズや自社商品の魅力を考えることが大切です。何が効果的かを見極めるのが難しい場合は、外国人が投稿した動画やSNSなどをチェックしてヒントを得ることが有益です。

また、海外では、自国の文化や宗教を尊重することが重視されることがあります。想定するターゲットの文化や宗教に敬意を払いながら、提供するメニューやサービス内容を調整しましょう。

飲食店の場合、ヴィーガンやハラールなどへの対応も必要となるかもしれません。

競合のインバウンド対策

周辺の競合店舗がインバウンド対策を行っている場合、その内容を調査することが重要です。

同業他社店舗の施策を分析することで、自店舗に適した対策のヒントを得ることができます。

自店舗でも取り入れ可能な事例があれば、積極的に導入していくことが望ましいです。

飲食店が実施できるインバウンド対策

飲食店のスタッフそれでは、飲食店が実際におこなえるインバウンド対策にはなにがあるのでしょうか。代表的な取り組みをご紹介します。

多言語対応メニューの提供

外国人旅行者の受け入れを考える際には、多言語対応メニューの提供が重要です。英語や中国語など主要な言語だけでなく、需要のある言語にも対応することで、外国人旅行者がメニュー内容を理解しやすくなります。

メニューには写真やイラストを加えることで、言語の壁を乗り越えてコミュニケーションを図ることにもつながります。

Wi-Fi環境の整備

外国人旅行者はインターネットを利用して情報を収集したり、SNSで体験をシェアしたりすることが多いです。そのため、飲食店が無料のWi-Fi環境を整備し、外国人旅行者が快適にインターネットを利用できる環境を提供しましょう。

また、Wi-Fiの接続情報を、わかりやすいように英語や他の言語で掲示することも大切です。

多言語を話せるスタッフの採用

外国人旅行者とのコミュニケーションをスムーズにおこなうためには、多言語を話せるスタッフの採用が必要です。英語や中国語、韓国語など、需要の高い言語に対応できるスタッフを積極的に採用しましょう。

また、難易度は少しあがりますが、短期間の留学プログラムや語学研修を活用してスタッフの語学力を向上させる取り組みも有効です。

多様な決済方法の導入

外国人旅行者は自国のクレジットカードや電子決済サービスを利用することが多い傾向にあります。飲食店で多様な決済方法を導入し、外国人旅行者がスムーズに支払いをおこなえる環境を整えましょう。

具体的には、主要な国際ブランドのクレジットカードや電子決済サービス(AlipayやWeChat Payなど)に対応すると良いでしょう。

旅行者向けのメニューやサービスの作成

外国人旅行者に対して特化したメニューやサービスを提供することで、外国人のニーズに合った飲食体験の提供も検討しましょう。

たとえば、地元の食材を活用した特別な料理や、地域の文化や風習に触れることができるイベントを開催するなどの工夫があります。旅行者にとって魅力的で記憶に残る体験を提供することが大切です。

モバイルオーダーの導入

外国人旅行者はスマートフォンを活用して情報収集や予約をおこなうことが一般的です。そのため、飲食店はモバイルオーダーシステムを導入し、外国人旅行者がスマートフォンで簡単にメニューの注文や支払いをおこなえる環境を提供しましょう。

これにより、注文の正確性や待ち時間の短縮など、利便性を向上させることができます。

【番外編】補助金の活用

飲食店がインバウンド対策を進める際には、地方自治体や観光団体が提供する補助金を活用することもひとつの手段です。

インバウンド対策を実施する際にはなにかと費用がかさんでしまいます。そこで補助金を活用すれば、外国人旅行者向けの施設整備やマーケティング活動に資金を充てられます。

地域ごとに異なる補助金制度をチェックし、条件や申請手続きを確認して積極的に活用しましょう。補助金の活用がインバウンド対策を推進する上で貴重な支援となるでしょう。

飲食店がインバウンド集客に活用できるツール

チェックリストインバウンド対策を万全にしても、集客できなければ意味がありません。インバウンド集客に役立つツールを活用して、来客数の増加に努めましょう。

店内・店外の看板やPOP

飲食店がインバウンド集客を成功させるためには、まず効果的な広告ツールを掲載することが大切です。店内や店外の看板やPOPは、視覚的なインパクトを与えることができるため、目にとまった外国人の来客や注文につながります。

鮮やかなデザインや魅力的なキャッチコピーを用いて、店舗の存在感を高めましょう。日本語に加えて英語や他の言語での案内があると親しみやすくなります。

SNS(ソーシャルメディア)

SNSはインバウンド集客においてとても有力なツールです。

飲食店はInstagramやFacebookなどのSNSプラットフォームを活用し、魅力的な写真や動画を投稿して、外国人旅行者に店舗の魅力を発信しましょう。

また、ハッシュタグを活用することで、特定のテーマや地域に興味を持つユーザーにアピールすることもできます。SNSを通じて口コミやシェアが広がることで、より多くの人々に店舗の存在を知ってもらえるでしょう。

ポータルサイト・旅行メディア

飲食店がインバウンド集客を強化するためには、ポータルサイトや旅行メディアを上手に活用することが重要です。グルメサイトや観光情報サイトなどのポータルサイトに登録し、自店舗の情報を詳細に掲載しましょう。

また、旅行メディアへの掲載や特集記事への参加なども効果的です。多くの人々が訪れるポータルサイトや旅行メディアを通じて、店舗の魅力をアピールしましょう。

 Googleビジネスプロフィール

Googleビジネスプロフィールとは、店舗情報を登録することでGoogleMAP上に自店舗が表示されるシステムです。正確で詳細な情報を登録し、営業時間や場所、メニュー、口コミなどを公開することで店舗の魅力を引き立てます。

Googleビジネスプロフィールは多くの人々が利用する検索エンジンで表示されるため、情報の正確性と魅力的な情報発信が重要です。

ホームページ

飲食店のホームページもインバウンド集客において重要な役割を果たします。ホームページは店舗の情報やメニュー、イベント情報などを掲載し、直接的な集客効果を狙うことができます。

とくに英語や中国語、韓国語などの言語に対応し、メニューや店舗情報を翻訳して提供することで外国人観光客の利便性を高め、集客効果を最大化することができます。

飲食店のインバウンド対策における注意点

飲食店がインバウンド対策をおこなううえで、注意したい点もあります。具体的な対策に取り組む前に注意点を把握しましょう。

常連客への配慮が必要

インバウンド対策を実施すると、オペレーションやサービス内容、メニュー表記などが変化します。店内の雰囲気も変わる可能性があります。

しかし、この変化が常連客やリピーターにどう映るかについても考えなければいけません。繁忙期にはスタッフがインバウンド客に追われ、常連客へのサービスが低下するリスクがあります。

常連客が離れてしまっては売上への悪影響をもたらします。

したがって、インバウンド対策に取り組む際には、既存顧客への配慮を怠らないように注意が必要です。

費用や手間の発生

インバウンド対策には、多言語に対応したスタッフの採用やシステムの導入など、十分な環境整備が必要です。ただし、これらの対策には時間や費用がかかることを忘れてはいけません。

インバウンド対策を進める際には、時間や費用の面も考慮して計画を立てることが重要です。

全従業員とインバウンド客への周知

実際にインバウンド対策を実行し、訪日外国人に対応するのは現場の店舗スタッフです。そのため、現場スタッフの協力が不可欠と言えます。

スタッフがネガティブな印象を持つと、対策の効果も低下してしまいます。特に初めての対策では、スタッフに目的や具体的な対策内容を十分に共有することが重要です。

また、インバウンド客に店舗のルールを十分に周知できないと、トラブルが生じるリスクがあります。

無断キャンセルやお通し代に関する誤解など、日本のルールを理解してもらうことが重要です。

まとめ

この記事では、飲食店におけるインバウンド客への対応について解説しました。

インバウンド需要を取り込むことで売上向上や店舗のブランディングにつながります。とくに言葉の壁を不便に感じないような店づくりをおこない、外国人旅行客でも快適に過ごせる空間を提供しましょう!

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