経営
2025/09/17
念願の飲食店をオープンさせ、売上が絶好調となるとすぐに2店舗目の開店に踏み切る方も少なくありません。一方で「飲食店の2店舗目は失敗する」という話を耳にする方も多いのではないでしょうか。
そんな話を聞くと「2店舗目の出店はやめておこうかな…」と弱気になってしまいますよね。しかし、2店舗目の出店が成功すると、より利益も増加し、お店のブランディング化も進めることができるでしょう。
そこで今回は、2店舗目の飲食店を出すかどうか悩んでいる方に向けて、以下の点について徹底解説していきます!
「飲食店の2店舗目を失敗する原因・理由」
「飲食店の2店舗目を拡大させるタイミング」
「2店舗目の出店を目指すために重要なこと」
事前に飲食店2店舗目の失敗する例や原因について理解しておくことで、出店成功につながります。是非参考にしてください。
飲食店の1店舗目が絶好調だからといって、2店舗目もそのまま成功するというわけではありません。とくに飲食店の2店舗目は「鬼門」とまで言われているのです。
失敗すると1店舗目を含めた会社全体が傾いてしまうリスクもあります。そこで、飲食店における2店舗目の失敗の原因を知り、失敗を回避することが大切です。
飲食店によくある失敗例は、出店場所の選び方を誤るケースです。
1店舗目は丁寧に立地調査をしたものの、2店舗目は条件を軽視し、十分な調査をせずに出店する場合があります。これは、1店舗目が成功した事実によって過信してしまうのが原因です。
飲食店は、多くのお客様に足を運んでもらって成り立ちます。そのため、1店舗目の傾向や周囲の店舗状況を分析し、適切な立地の選定が欠かせません。
従業員の育成不足も、2店舗目によくある失敗例です。
人材が足りなかったり、育成が追いつかなかったりすると、サービスの質が低下し、お客様が離れてしまいます。
特に、2店舗目を任される店長のスキル不足が原因で結果を出せないことも少なくありません。「自分が運営すれば大丈夫」と考えても、すべてをオーナーが抱えると、体調を崩すリスクがあります。
人員やスキルが整わないまま2店舗目を出店すると、失敗につながる可能性が高いと心得ておきましょう。
2店舗目の管理業務やコストを十分に考慮せず、出店後に負担の大きさに気づくケースもあります。
「2店舗目を出せば利益が増える」と考えがちですが、実際には1店舗の時にはなかったコストが増える場合もあります。
家賃・仕入れ・人件費・水道光熱費に加え、発注やシフト作成・新人教育・数値管理などの業務にかかる時間も増加します。
その結果、オーナーが1店舗ごとに関われる時間が減り、お客様の満足度が下がるリスクがあります。
1店舗目が成功しても、2店舗目は赤字が続く場合もあります。業態戦略やブランドコンセプトを十分に練らず出店すると、客足は伸びません。
また、1店舗目の赤字を補うために2店舗目を出すケースも要注意です。
「1店舗目が失敗した=ノウハウが不足している」ことを意味するため、2店舗目も成功する可能性は低いと考えるべきです。
2店舗目で大幅なコンセプト変更をすると、失敗につながりやすい高リスクな選択になります。
理由は、1店舗目を気に入っていたお客様が2店舗目に来店した際、好きなメニューがなかったり雰囲気が変わっていたりすると、戸惑いを与えてしまうからです。
特別感を出したい場合は、大幅な変更ではなく、メニューの1つを「◯◯店限定」とするなど、小さな工夫をおすすめします。
飲食店の多店舗展開を目指す方はコチラ
2店舗目を失敗させないためには、出店タイミングがとても重要です。さまざまな条件が重なった最適な「タイミング」を見極めて出店しましょう。
大前提は、1店舗目の飲食店が黒字で安定していることです。
2店舗目は出店直後から集客が安定するとは限りません。不安定な2店舗目をカバーできるだけの経営基盤が整っているかどうかがポイントです。
飲食店2店舗目の物件取得費や外装・内装工事費など、出店に必要な資金を十分に確保しておくことが大切です。
1店舗目が黒字でも自己資金が無ければ、2店舗目が赤字になった際に補てんできません。
目安としては、出店費用の50%程度を自己資金でまかなえるかどうか。これを満たしていれば、金融機関や日本政策金融公庫からの融資も受けやすく、リスクを減らせます。
利益や資金が整っていても、人材が育っていなければ2店舗目は安定しません。
2店舗目の出店が決まってからスタッフを集めるのではなく、任せられる人材が成長してから出店計画を立てるのが理想です。
全スタッフをそろえる必要はありませんが、メニューや接客の質を保つために、信頼できるリーダーや店長候補を1〜2名は確保しましょう。
規模にもよりますが、全スタッフを揃える必要はありません。ただし、メニューや接客の質を揃えるためにも、リーダーまたは新店長となるような信頼できるスタッフは1,2名揃える必要があります。
飲食店2店舗目の出店には勢いも大切ですが、計画なしの出店はリスクが高いです。物件選びや資金調達、人材教育など、出店準備を入念に進めましょう。
最低でも3ヶ月前から計画を立てて、2店舗目の開店に向けて着実に準備を整えましょう。
「2店舗目のタイミング」についてはコチラも
飲食店を経営する方が2店舗目を検討するなら、1店舗目の営業中から意識すべきことがあります。
これから紹介する5つのポイントを押さえておくと、2店舗目の出店の成功率が高まるでしょう。
2店舗目の出店には、多額の資金が必要です。出店したい気持ちだけでは進められず、まずは資金を確保しましょう。
1店舗目の利益から◯%分の金額を積み立てるルールを設ければ、計画的な資金準備がしやすくなります。
飲食店1店舗目を開業し、作業の流れなどが固まってきたら2店舗目に向けてマニュアルを作っておくと良いでしょう。店舗によって接客や料理の質が変わらないように汎用性の高いものを作成することをおすすめします。
発注やシフト作成に関する管理マニュアルも作成しておくと、2店舗目の飲食店を出店する際に業務効率化につながり、オーナーが担う負担も減少するでしょう。
飲食店はオーナーが自らオペレーションに携わるケースがとても多いです。しかし、2店舗目を目指す場合はアルバイト、社員に関わらず人材を教育し、少しずつ自分がいない状態でもお店を切り盛りできる状態を作っていくことが重要になります。
アルバイトリーダーや時間帯責任者を選定するなど、責任感を持たせながら教育していくと良いでしょう。
そうしておくと、いざ2店舗目を出店するときに教育不足な状態に焦ることなく出店を進めて行けます。
店舗の理念や方向性を明確にして、統一性を持たせることを1店舗目の営業時からやっていきましょう。メニューと店内の雰囲気のマッチ、食器やBGMなども大切です。
また、スタッフに店舗のコンセプトをきちんと理解させながら育成していきます。オーナーが営業時間中は常にいて、お客さん全員と接するわけではありません。
そのため、自分と同じ意識で行動できるスタッフが多ければ多いほど、飲食店の統一性は高くなるでしょう。
1店舗目の飲食店の営業をしていくうちに、とくに繁盛している曜日やよく売れる商品、訪れる客層や混在する時間帯に特徴が出てくるでしょう。
このような情報の分析をおこないデータ化することで2店舗目のノウハウ、立地選定などに役立ちます。
今回の記事では、飲食店の2店舗目で失敗しやすいケースを紹介しました。
特に多いのは、立地の選定ミス、人材教育の不足、そして資金不足です。
こうした失敗を避けるには、2店舗目の出店タイミングを見極め、意識すべきポイントを押さえることが欠かせません。入念に計画を立て、2店舗目を成功につなげましょう。
FOODGYMでは飲食店の融資・資金調達のサポートをおこなっています。
まずはお気軽にご相談ください!