開業
2023/02/22
働き方の多様化が進む昨今、都会ではなくわざわざ田舎で飲食店を開業するケースも増えてきています。都心にこだわらず、田舎の雰囲気のなかで新しく飲食店を開業したい方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、田舎で飲食店を開業する前に確認しておきたい以下のポイントを中心に解説していきます!
「田舎で飲食店を開業するメリットには何がある?」
「田舎で飲食店を開業する際の注意点は?」
「田舎の飲食店で苦戦しやすい集客方法のポイントを知りたい」
田舎での飲食店開業に成功するためのコツもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
まずは、田舎で飲食店を開業するとどのようなメリットが得られるのかについて見ていきましょう。
田舎で飲食店を開業することの大きなメリットとして、開業資金を抑えられる点があります。都会と比較して土地・物件をはじめ、様々なものの価格が低いため開業資金を抑えやすい傾向にあります。地域によっては空き家を活用する取り組みもおこなわれており、格安、または無料で借りれるケースも少なくありません。
また、人件費や賃料も低く設定されていることが多いため、開業資金だけでなく開業後の運転資金も抑えながら経営を続けることが可能です。都会と違って自然豊かな田舎は、新鮮な山や海の食材が安く手に入る機会も多いでしょう。
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田舎は都会に比べてライバルになる飲食店が少ないため、自身の飲食店をブランド化させる場所に適しています。まだ浸透していないサービスや食文化など、拾いきれてない需要を探して、唯一無二の飲食店として存在感をアピールできます。
ライバルになる飲食店が少ないということは、競争率が低く成功する確率が高いと言い換えることもできます。新規開業を志す人にとって良い環境だと言えるのではないでしょうか。
田舎では、地域活性化や住み良い環境の確保のため、起業に対する補助金や助成金などの支援が充実しています。飲食店の開業のサポートになる支援制度は地域によって異なりますが、以下のものが代表的です。
このほかにも、店舗改装費用を1部補助してくれる制度や引っ越し費用を全額負担してくれる制度がある地域も存在するなど、都会では受けられないお得な制度が利用できます。
田舎ならではのメリットがある一方で、デメリットや注意点もあります。田舎で飲食店を開業するまえに、懸念材料についても把握しておきましょう。
地域にもよりますが基本的に田舎は人口が少ないため、都会のように多くの集客が期待できない点が大きなデメリットとなるでしょう。
少ない利益でも回転率を多くする薄利多売の飲食店を開業しても、そもそもの人口が少ないため思うように客足が伸びずに失敗するケースも少なくありません。
田舎で飲食店を開業するメリットのひとつに、開業資金や運転資金が抑えやすいことを挙げましたが、予想外に経費がかさむことがあります。例えば、寒暖差が激しい地域では光熱費が高くなったり、車が必須の地域ではガソリン代や車の維持費が発生したりするでしょう。
これまで都会で過ごしていた方からすると、意外なところでコストがかかってくる可能性があります。後から計画が狂ってくることにならないよう、事前に調査しておきましょう。
田舎で飲食店を開業する際は、都会とは違う集客方法を実施する必要があります。一体どんな集客方法が田舎に適しているのか、具体的なアプローチの手段を見ていきましょう。
まず重視したいポイントが、ターゲット層を絞り込みすぎないことです。基本的に飲食店を開業する際は、サラリーマンや10~20代の若い女性などとターゲットを細かく定めます。
しかし、もともと人口の少ない田舎でさらにターゲットを絞り込み過ぎてしまうと、集客に失敗する可能性が大きくなります。そのため、その地域に住む幅広いターゲットに受け入れられるような飲食店にする方が、リピーターの獲得に繋がるでしょう。
地域に愛される飲食店づくりはもちろん、都会からも足を運んでもらえるような店にすると、より多くの集客が期待できます。
せっかく田舎で飲食店を開業するのであれば、ここでしか味わえない「希少性」を全面に押し出していくことをおすすめします。
例えば、地元で作られた果実を使ったジュースやスイーツや、収穫体験イベントを実施し、収穫した野菜で料理を提供するなど、都会では体験できないことに挑戦してみると良いでしょう。
定期的にイベントを開催して認知度が上がれば、飲食店への安定した集客にも繋がります。
田舎で安定した集客を得るためには、その地域に適した配慮が必要になります。車で来店できるように駐車場を設置したりランチタイム後からディナータイムまでの時間はカフェタイムとして開店したりと、地元の方のニーズを察知して適切なサービスを提供することも重要です。
開業する前に周囲の飲食店がおこなうサービスなどを調査し、自店に取り入れるべきサービスを検討しましょう。
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田舎の飲食店の集客ツールは1つに絞らず複数個の広告ツールを活用することをおすすめします。
Google検索やGoogleマップ上に自身の飲食店の情報を表示する「Googleビジネスプロフィール」やホームページの作成と運用、公式LINEやSNSを活用し、より多くの人の目にとまる工夫をしていきましょう。
開業前でも、SNSでお店作りの様子を投稿したり販売予定のメニューを投稿したりすることで飲食店を宣伝することができます。開業後は来店してくれたお客さんに公式LINEの登録でクーポン配布などの再来店を促す施策が効果的です。
飲食店の開業前や開業直後は余裕がない時期かもしれませんが、集客ツールを怠らずに活用していれば、田舎であっても多くの集客が見込めるでしょう。
田舎で飲食店を開業し、成功させるために押さえておきたいコツをご紹介します。
まず大切にしたい点は、事業設計を入念におこなうことです。新規事業を始める際は「小さく始めて時間をかけて育てていく」ことが基本です。
特に田舎で飲食店を始める際には、情報発信の手段や田舎の特性を活かしたブランディングなど、綿密な事業設計を立てていきましょう。
田舎の飲食店には、地元の食材を活用して観光客もターゲットに入れる、都会のサービスを田舎へ提供するなどのコンセプトが適しています。ターゲットは絞り過ぎないものの、しっかりとしたコンセプトは持ち、魅力あふれる飲食店を形成していきましょう。
田舎の特徴のひとつとして、新しいものをなかなか受け入れなかったり警戒心が強かったりする点があります。何も繋がりのない飲食店が参入したとしても「どんなお店なんだろう?」という興味はあるものの、なかなか来店に繋がりません。
物件を貸してくれた大家さんや不動産関係者、役場の方、近隣住民、取引先の企業など、あらゆるところでコミュニケーションを取りつつ宣伝をしていくことが重要です。
この記事では、田舎での飲食店開業についてご紹介しました。
開業・運転資金が抑えられたり支援制度が充実しているなどのメリットがある一方で、集客が難しかったりガソリン代などの経費が大きくなる点が懸念されます。
田舎で飲食店を開業する際には、特に集客方法を重視して計画を立てていきましょう!
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