損益のシミュレーションをしよう

開業

2020/07/15

損益のシミュレーションをしよう

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理想のお店が作れてもきちんと利益を出し、その利益で納税をし、残額で借入金の返済とオーナーの生活費が賄えなければお店を継続することはできません。

コンセプト通りのお店ができた場合に、どれだけのコストでどのくらいの売上があげられるかをシミュレーションし、いくらの利益が出せるかを予測するのが損益シミュレーションです。

ここで予測した納税後の利益で借入の返済とオーナーの生活費が賄えればいいのですが、不足した場合にはコンセプトの見直しをする必要があります。

コンセプトの見直し→再シミュレーションを何度も繰り返し、借入金の返済とオーナーの生活費が賄えるようになるまでブラッシュアップしてください。

 

コンセプトを数値化しよう

作ったコンセプト通りのお店をOPENできた場合にどれだけのコストでどのくらいの売上があげられるか?

売上については次にお話ししますので、ここではコストについてご説明します。飲食店のコスト構造は他業種と比べると比較的シンプルです。

 

・固定費:売上の金額が増減しても金額が変わらない費用

・変動費;売上の金額の増減にほぼ比例して増減する費用

 

この2つの費用に分けてコストを予測しましょう。

飲食店の場合には、原価(いくらの材料で作れるか)とアルバイトさんの人件費が変動費で他の費用はほぼ固定費だと思います。消耗品代や水道光熱費の金額は、厳密にいえば売上の増減の影響を受けますが、影響が少ないので固定費と考えても支障はないでしょう。

 

・固定費の代表例

  社員さんの人件費(給与+交通費+社会保険料)、お店の家賃、電気代、ガス代、水道代、消耗品代、広告宣伝費

・変動費の代表例

  原価、アルバイトさんの人件費、クレジットカード等の手数料

 

費用の予測をする際には、“固定費は金額”で“変動費は売上の〇%”で考えて下さい。

 

社員を何人いくらで雇うのか?家賃はいくらかかるのか?電気代・ガス代・水道代はいくらかかるのか?消耗品は何が必要で、いくらかかるのか?何の広告を出して、いくらかかるのか?・・・を項目ごとに検討すれば、固定費の予測は出来上がりです。

 

対して変動費は売上高の増減に比例して増減しますので、売上高の何%必要かを予測します。原価は提供する商品の材料費です。

480円で提供する生ビールが仕入200円分だったら200/480=41.7%という計算です。飲料はシンプルですが、食事はレシピができていないと計算できません。原価のシミュレーションをしながらレシピを決定してください。また、すべての商品を個別で計算するのは困難ですし、売上の予測も商品ごとではできないので、いくつかのグループに分けて予測しましょう。

 

アルバイトさんの人件費は、いくら以上の売上になったらアルバイトさんが何人必要になるかを考え、そのコストが売上高に対して何%を占めるのかを予測してください。

クレジットカードの利用が多そうなお店はその加盟店手数料は結構な負担となります。仮にお客様の半分がクレジットカードで支払いをし、加盟店手数料が5%だった場合には、売上高の2.5%の加盟店手数料がかかってきます。

 

ここでは代表的なコストしか載せていませんので、お店のコンセプトによって必要な経費を考え、コストの予測を行ってください。

 

利益が出た場合には、その利益の金額に応じて会社を作った場合には法人税、個人事業主の場合には所得税がかかります。この税金の計算方法等については、「法人と個人のメリット・デメリットを知ろう」でご説明します。

 

売上高をシミュレーションしよう

飲食店の損益シミュレーションで一番重要で困難なのが売上高のシミュレーションです。

10年以上飲食店を経営している方でも、今日の売上高がいくらになるかはわかりません。それをこれから開業する方がやるのですから、非常に難しいのは当たり前です。そのためシミュレーションでは、いかに正確に予測するのかではなく、いかに論理的に考えるかが大切になってきます。

 

“売上高=客単価×客数” 

 

この計算が売上高の公式です。さらに“客単価=商品単価×出数”“客数=席数×回転率”で考えましょう。

商品単価・出数・席数・回転率をひとつひとつ考えて掛算していただいても結構ですし、目標売上を設定して割算することで矛盾が生じないかをチェックしていただいても結構です。しかしながら、必ずこの公式に当てはめて売上予測を行ってください。

この売上予測は、お店のコンセプトが変わる曜日・時間ごとに実施してください。ランチ営業もする居酒屋さんでしたら、昼と夜で当然客単価や客数が異なってきます。また、平日は近隣のサラリーマンがターゲットで、土日祝はファミリーがターゲットのお店でしたら、曜日によって客単価等が変わってきます。

曜日・時間帯を分け、公式を使いながら売上予測をしてください。

 

3パターンのシミュレーションをしよう

飲食店はいい時と悪い時でのアップダウンが激しい業種です。

調子がいい時だけのシミュレーションをして「OK、いける!!」と思って開業しても、予測通りに行かなければキャッシュはどんどん減っていってしまいます。

アッパー(目標売上)、ミドル(標準売上)、ボトム(最低売上)の3つのパターンでシミュレーションし、ボトムでもキャッシュが減らない利益構造になるように計画を立ててください。

 

損益シミュレーションを正確にすることはお店の成功のための必須事項です。

物件決定前に損益シミュレーションをきちんと行っておけば、候補別件が出てきた際に理想の物件とのギャップを修正(理想では15坪・20席の想定だったが、候補物件では13坪・16席しか取れないので、売上予測を16席分に修正)するだけでシミュレーションができ、創業計画を仕上げるのにも時間がかかりません。

また、計画は融資を受けるためだけに作るものではありません。OPEN後には実績と計画を比較し、何が悪かったのかを振り返ることで課題が明確になり、業務改善に取り組むことができるようになります。

数字に対して苦手意識をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、独立後はあなたが経営者です。経営者は数字から逃げることはできません。今からお店の数字と向かい合う習慣をつけておきましょう。

 

読んでいただいた皆さんの開業が順調にいくことを祈念しています。

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FOODGYM編集部

日本の飲食店を強くするFOODGYM。開業から融資まで幅広くサポートします。