飲食店の求人応募が来ない原因とは?現状と対策について押さえよう

経営

2023/05/09

飲食店の求人応募が来ない原因とは?現状と対策について押さえよう

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飲食店経営者の多くは「人手不足」という課題を抱えているのではないでしょうか。その対策として求人を出しても応募が来ず、手詰まりな状況になっている飲食店も少なくありません。

労働人口が減少している現在、飲食店の人手不足問題は深刻化していますが、正しいやり方によって求人応募に関する問題は改善・解消することが可能です。

そこで今回は、飲食店経営者が抱える以下の悩みや疑問を解消していきます。

「ほかの飲食店の求人はどうなの?現状を知りたい」

「飲食店の求人応募が来ない原因はなんだろう」

「飲食店の求人が来ない課題を解決する対策方法とは?」

現在の飲食店における求人応募の状況や応募が来ない原因、その原因を解消する対策について紹介します。

飲食店の求人応募が来ない?現状を知ろう

飲食店スタッフ「飲食店の求人応募が来ない」という問題を解決するためには、まずは業界の現状をきちんと把握することが大切です。

現状をしったうえで原因整理へと進むことで、採用の成功へと繋がるでしょう。

有効求人倍率と離職率は上昇傾向

現状、日本国内の有効求人倍率は上昇傾向にあります。厚生労働省が2023年4月28日に公表した有効求人倍率は1.32倍で、求人数は2020年6月を底に増加し続けています。

前月は1.34倍、前々月は1.35倍という結果になっており、いずれも1人あたり1件以上の求人があるため、求職者にとって仕事が探しやすい状態です。

この有効求人倍率は職業別でも公表されており、飲食店が該当する「飲食物調理の職業」は2.92倍「接客・給仕の職業」は3.29倍です。

このように、飲食業の有効求人倍率は全国平均の2倍以上になっており、「企業の求人数がとても多い状態=人手不足」であることがわかります。

また、飲食業界の人手不足問題には、離職率の高さも大きく関係しています。厚生労働省が公表した「令和4年上半期雇用動向調査結果」では、離職率の全国平均が8.7%でした。

それに対して「宿泊業・飲食サービス業」の離職率は15.0%と、産業別ではもっとも高い数値を残しています。

飲食店の80%が人手不足

日本国内最大手の信用調査機関である、帝国データバンクの調査結果によると「人材不足を感じている」と回答した飲食店は76.3%でした。全業種の平均数値は34.4%であることからも、飲食店の人手不足問題の深刻さは一目瞭然です。

離職率も高く、求人を出しても応募が来ないという状況を放置していると、慢性的な人手不足に陥り、最終的には閉店を余儀なくされる恐れもあります。

これを脱するためには、応募者を集めるための工夫が必須であるといえるでしょう。

飲食店の求人応募が来ない原因とは

求人を出しているにも関わらず応募が来ない場合、原因は求人の内容にあるのかもしれません。

ここでは、なぜ飲食店の求人応募が来ないのか、考えられる原因をご紹介します。

1.募集内容が伝わりにくい

よくある原因が、求職者に仕事内容や労働条件が伝わりにくい求人を掲載していることです。たとえば、仕事内容が「接客と簡単な調理補助」や「店舗営業」などざっくりと記載されている求人が挙げられます。

実際、小さい飲食店の場合はホールスタッフと調理スタッフを分けずに、幅広い作業をお願いすることもあるでしょう。しかし、求職者は「この仕事は自分に合っているか」「自分のスキルが役に立つ仕事か」など、仕事内容の詳細を見て応募するかどうかを判断します。

そのため、募集内容がわかりにくいと求職者は仕事との相性を判断できず、求人への応募を懸念してしまうことになるのです。

2.勤務時間が未定・変動する

求人に記載される「勤務時間」が曖昧であることが、応募が来ない原因になっているケースもあります。飲食店側からすると「1日中どの時間帯でも来てくれたら助かるから」「予約状況によって柔軟に働いて欲しいから」などの理由で勤務時間を曖昧にしているのかもしれません。

しかし、求職者にとって勤務時間が明確に記されていないと、自分が働きたい時間とマッチしているかどうかが分からず、応募をためらってしまうのです。

3.求人情報が古い・更新していない

求人に応募が来ない原因の3つ目は、古い情報を記載したままになっていることです。求職者が求人を探す際は「飲食店 短期」など、自分が求めるワードで検索します。

そのときに、求人情報が古かったり更新されていなかったりすると、そもそも求人サイトの上位には上がってきません。

運が良く求職者の目に留まったとしても「最終更新日から月日が経っているからもう募集していないかもしれないな」と感じ、応募に繋がらない可能性が高いでしょう。

4.勤務内容・条件が魅力が足りない

求人を出しているのに応募が来ない飲食店は、勤務内容や条件が魅力的でない可能性があります。飲食店で働きたい求職者がいても、さまざまな飲食店の求人内容を比較して、より条件が良かったり、勤務内容が魅力的に感じたりする求人に応募します。

給料や福利厚生、まかない、勤務時間など求職者が重視する項目はそれぞれですが、他社より劣っていると判断されると、応募につながりません。

勤務内容や条件が魅力的なのに、タイトルから伝わる情報が少なすぎて求人内容をきちんと読んでもらえないケースもあります。

たとえば「飲食店スタッフ募集」ではなく「【未経験・短時間歓迎】カフェスタッフ募集」など、タイトルにも魅力を伝える工夫が必要です。

飲食店の「求人が来ない」を解消する対策

飲食店スタッフ人手不足だから求人を出す飲食店は多いですが、求人を掲載して終わりになっていませんか?求人の応募が来ない場合は、対策をたてて現在の求人を改善することが大切です。

前項で紹介した原因から改善すべき箇所を確認し、適切な対策を実践してみましょう。

最適な求人媒体を利用する

すぐに取り掛かるべき対策は、自身の飲食店に最適な求人媒体を見つけることです。求人媒体といっても数多くの種類があり、それぞれ対応エリアや雇用形態・業種への強みが異なります。

「求人を掲載した」といっても、飲食業界に精通していなかったり、求めるターゲットの利用率が低かったりすると、なかなか応募につながりにくいでしょう。

学生や主婦の短時間勤務を求めているのに正社員の求人を多く掲載している媒体を利用していませんか?

求人内容を見直す前に、まずは利用する求人媒体が最適かどうかを確認しましょう。求人媒体を選ぶときは、主に以下の3つを判断基準にすることをおすすめします。

  • 店舗があるエリアに強いか
  • 飲食業界に精通しているか
  • ターゲットに合った媒体か

この3点を意識して求人媒体を選ぶだけでも、求職者の目に留まる回数が増え、応募の増加が期待できます。

求人内容の見直し・改善をおこなう

求人の応募が来ないという課題を解決するには、求職者に「ここで働きたい」と思わせる求人内容にする必要があります。また、情報を具体的にかつ伝わりやすくまとめることも重要です。

たとえば、勤務時間が曖昧ならきちんと求めている時間帯を明記する、情報量が多すぎて見にくいときは箇条書きを利用してシンプルにまとめる、などの工夫ができるでしょう。

採用する飲食店側からすると、業務内容は「調理補助」などの簡潔な表現でも伝わりますが、そこで働いたことのない人にとってはなんのことかわかりません。

「ハンバーガーの調理と仕込み」「ホール(お客さんへの提供・バッシング等)」など一言で業務内容が理解できるものにすることが大切です。

まかない・食事補助をつける

まかないや食事補助は、飲食店に応募を検討している方が魅力的に感じるポイントのひとつです。求人媒体でも「まかない・食事補助あり」といった絞り込み項目が設けられているケースもあり、人気ワードと言えるでしょう

とくに一人暮らしの学生やフリーターは、まかない制度を重視しているケースが多く、まかないをつけるだけでも、十分応募率アップが期待できます。求人内容にまかないの具体的なメニューを記載すれば、さらに関心を集めることができるでしょう。

「新商品をいち早く食べられる」「全メニュー50%OFF」「まかない限定!シェフの気まぐれメニューあり」など、求職者が魅力に感じる内容がおすすめです。

リファラル採用を導入する

最適な求人媒体を利用して、求人内容も改善したにも関わらず応募が来ない場合の対策として「リファラル採用」があります。リファラル採用とは、飲食店の従業員に新たな人材を紹介してもらう方法です。

リファラル採用では事前に従業員が職場の雰囲気や業務内容を伝えてくれるため、働き始めてからのギャップが起こりにくいといったメリットがあります。

「求人媒体から飲食店を見つける→求人内容に魅力を感じて応募する→お互いにマッチしたら採用」といった通常の採用の手順より、スムーズにマッチング精度を高められる点が大きな特徴です。

まとめ

飲食店経営者の多くは、求人の応募が来ないことを課題に抱えています。しかし、求人は掲載して終わりではなく、内容の改善や更新はもちろん、求職者が魅力的に感じる記載が重要です。

自店にもっとも合っている求人媒体を見つけ、求人内容の最適化につとめましょう。

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