経営
2024/10/16
お客さんが、飲食店に足を運ぶきっかけになるのは料理の味だけではありません。接客の質が高いことにに好印象を抱き、リピーターになってくれるケースも多いのです。
今回は、飲食店の売上も左右する重要な要素「接客」について押さえていきましょう。
「飲食店の接客用語にはなにがある?」
「飲食店の接客マナーなどの基本を押さえたい」
「飲食店の接客の流れを知りたい」
上記のような課題や疑問をお持ちの方に向けて、飲食店における接客の重要性からマナーや接客用語の基本、ポイントまで徹底解説していきます!
接客は、お客様が飲食店を評価する要素のひとつです。
飲食店に訪れるお客様は料理だけに料金を払っているわけではありません。接客も含めたサービス全体に対して支払っているのです。
何度も足を運びたくなる飲食店とは「美味しい料理を価値に見合った金額で提供し、良い雰囲気、接客が行き届いたお店」といえるでしょう。いくら料理が美味しくても接客が良くなければ、その飲食店には不満が残ってしまいます。
従業員の些細な行動や言動が、お客様の満足度と店に対する評価を簡単に左右するのです。
近年の社会情勢の変化に伴い、飲食業界もデジタル化が進んでいるからこそ、人による配慮や気遣い、思いやりが感じられる接客を求めるお客様のニーズはより一層高まっているでしょう。
良い接客は飲食店の評判を高める重要な要素です。
接客の質が高ければ高いほど、お客様は満足し、その結果として友人や家族にお店を推薦したり、再訪したりする可能性が高まります。
反対に、接客が悪いとお店の評価は下がり、リピーターを失うことにもなりかねません。
顧客満足度は直接的にサービスの質にリンクしています。
店員の態度、サービスの迅速性、個別の顧客への対応の質などが、顧客がその飲食店をどう感じるかに大きく影響します。
顧客が期待以上のサービスを経験すると、それが忠誠心につながり、結果的には店の収益向上に貢献するでしょう。
デジタルツールの導入は、予約システムの効率化、顧客情報の管理の向上、ターゲットマーケティングの精度向上など、飲食店の運営に革命をもたらしています。
これらのツールを活用することで、顧客一人ひとりにカスタマイズされたサービスを提供できるようになり、顧客満足度を一層高めることが可能です。
ただし、デジタルツールの導入には初期投資や運用コストがかかるため、そのバランスを適切に取ることが成功の鍵となります。
飲食店の接客サービスをより良いものにするためには、基本から押さえることが大切です。ここでは、接客の心得・マナー・用語についてご紹介します。
飲食店の接客では、お客様の目線に立って接客することを常に意識づけましょう。お客様のなかでも、食事を済ませてすぐに退店したい方もいれば、店員との会話を楽しみたい方もいるでしょう。
それぞれのお客様に合わせた接客をおこなうことが大切です。
また、接客はすべてのお客様に対して公正で誠実であるべきものです。たとえば、注文を受けた順番に料理を提供する、調理に時間がかかる場合は一言伝えておくようにしましょう。
「自分がお客さんだったらどのように感じるか」を考えることが、より良い接客を生み出します。
飲食店では食品を扱うため、清潔感に欠ける印象を与えてはいけません。お客様に良い印象を持ってもらうための接客マナーについて押さえておきましょう。
接客の現場では、お客様を不安にさせたり悪い印象を与えたりしないために、
表情は「笑顔」が基本です。笑顔といっても常に満面の笑顔である必要はなく、口角をぐっと上げる「3分咲き」と呼ばれる笑顔を意識して接客するとお客様に自然で良い印象を与えられます。
入店や退店など、お客様の顔を見て挨拶するときや感謝の気持ちをつたえるときには、より感情豊かな笑顔をつくると良いでしょう。
清潔感の大部分は身だしなみで決まります。飲食店の身だしなみの基本は主に以下のとおりです。
髪の毛:後ろの低い位置で1つにまとめる。髪の毛の露出はできるだけ控える
顔:髭・鼻毛の処理、お店の雰囲気に合ったメイクを心がける。
服装:制服の汚れやシワ、ほつれがない状態で接客する。着崩さず正しく着用する。
アクセサリー:食品に混入する恐れがあるものは外す。
靴:綺麗で動きやすいものを使用する。
どれだけ丁寧で笑顔が素敵な方でも清潔感がないと、お客様は良い印象を持ちません。飲食店全体に不衛生な印象を持たれる可能性もあるため、身だしなみの整備は特に徹底すべきポイントです。
姿勢の悪さはだらしない印象につながります。緊張して体がこわばってしまっていても、それがお客様に伝わって気疲れさせてしまうため、肩の力を抜いて、自然に背筋を伸ばしましょう。
お辞儀はシチュエーションによって角度を使い分けます。すれ違うときなどは15度くらいの会釈、入店するお客さんをお迎えする時は30度程度でお辞儀すると良いでしょう。
退店時や謝罪時などは、最敬礼の45度のお辞儀をします。
飲食店に限らず、接客サービスの基本となる接客用語があります。接客では言葉遣いも非常に大切になるため、必ず覚えておきましょう。
接客の基本を覚えたら、現場でどのように活かすべきなのかも踏まえておきましょう。お客様の入店から退店までの流れに沿ってご紹介します。
お客様をお迎えする入店時の接客によって、第一印象が決まります。歓迎の気持ちを表情に出し、笑顔でお客さんを迎えましょう。
各飲食店の接客システムによっても異なりますが、主に以下の流れが基本的です。
「いらっしゃいませ」
「何名様でしょうか」
「お席へご案内します」
客席まで案内するときは、早歩きになりすぎないように注意しましょう。忙しい時間だったとしても、歩くペースは必ずお客様に合わせます。
もし満席ですぐに客席へ案内できない場合も、印象を悪化させないように丁寧に対応します。「申し訳ございません」と申し訳ない気持ちを伝え、待ってもらうのか、入店を断るのかをお客さんにわかりやすく説明しましょう。
客席が空くまで待ってもらったときは「お待たせしました」と挨拶してから席に案内してください。
注文を受ける時は「ご注文をお伺いします」と声をかけ、お客様が発言しやすい雰囲気をつくります。注文を復唱することで、オーダーミスも減らせます。
注文が終わったかどうかを確認するために「注文は以上でよろしいでしょうか」と再確認し、注文を受けたことを伝える「かしこまりました」、調理時間をいただくという意味で「少々お待ちください」を伝えてから席を離れましょう。
料理が完成したら、速やかに客席に運びます。冷めてしまっていたりぬるかったりしたら味が落ちてしまうからです。美味さを届けるために、すぐに召し上がってもらいましょう。
料理を配膳する時は「お待たせしました」と言って料理名とともに提供します。どれだけ忙しい時間帯でも、きちんと立ち止まって料理名もしっかり読み上げます。
食器の音は響きやすいため、音を立てないように丁寧に提供しましょう。
注文された商品名や金額を確認しながら会計を進めます。「お会計(合計金額)は◯◯円です」と料金を伝えます。
ここで注意したいのが「◯◯円になります」と言う表現です。「なる」は変化を意味する言葉のため、料金が確定したときの表現としては不適切といえるでしょう。
会計後、お客様が退店される時は「ありがとうございました」「またのご来店、お待ちしております」といって笑顔でお辞儀し、感謝の気持ちを伝えることが大切です。
最後の退店まで好印象を与えることができれば、「また来たい」と感じてもらえるお店になるでしょう。
ご紹介したように、飲食店における接客マナーや接客用語は多くあるため、接客マニュアルを作成することをおすすめします。
接客は臨機応変な対応が必要であるため、マニュアルがすべてではありませんが 、接客に関する最低限のルールや作業手順を学べます。
マニュアルがあると、接客の挨拶や流れを統一することができるため、スタッフ間の接客レベルに差が生まれなくなります。
お店の接客サービスレベルを一定に保つ効果を期待できるとともに、改善を繰り返しより質の高い状況を作りあげられ、お店にとって大きなメリットをもたらします。
経営理念や身だしなみ、接客用語、ホール業務の流れなどにくわえ、イレギュラー対応についても記載しておくと安心です。
この記事では、飲食店の接客についてご紹介しました。
お客様に満足感を与えるには、行き届いた接客サービスが欠かせません。
マナーや接客用語などの基本的なことからホール業務の流れごとの接客方法を押さえ、店舗の接客の質を上げましょう!