飲食店のテイクアウトに許可は必要?注意点やポイントも徹底解説!

経営

2022/10/19

飲食店のテイクアウトに許可は必要?注意点やポイントも徹底解説!

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近年、新型コロナウイルス流行をきっかけにテイクアウト需要がいっきに増えましたね。おうち時間が定着したいま、今後もテイクアウト需要は安定すると予想されます。

飲食店を経営している方のなかには、今までイートインのみで営業をしていたけれど、テイクアウトの開始を検討している、という方もいるのではないでしょうか。

今回の記事では、テイクアウトを開始するにあたって疑問を持ちやすい以下の点を解説していきます!

「飲食店のテイクアウトに許可は必要?」
「飲食店のテイクアウトに保健所が必要な場合は?」
「飲食店のテイクアウトを始める時の注意点は?」

これから飲食店の開業を予定している方や経営する店舗のテイクアウト開始を検討している方は、是非参考にしてくださいね。

飲食店のテイクアウトに許可は必要?

バーカウンター飲食店でテイクアウトを開始する際は、販売・調理する場所や商品によって必要な許可が異なってきます。「すでに店舗で提供している商品をテイクアウトにするだけだから許可はいらないのでは?」と考えている方も少なくありませんが、別途許可が必要なケースがあるのです。

自分が経営する飲食店は、テイクアウト開始に許可が必要かどうかをチェックしていきましょう!

許可が不要な場合

店舗で調理した商品を、そのままテイクアウト販売するケースは許可が不要です。基本的に、飲食店開業の時点で取得している「飲食店営業許可」さえあれば、別途申請する必要はないのです。

定食屋さんがお弁当の販売を開始する、居酒屋のメニューをお持ち帰り可能にするケースなどは、いつでもテイクアウトを開始することができます。

許可が必要な場合

一方で「店内で調理・販売している」商品であっても、1部の食品は別途許可が必要になってきます。テイクアウトを開始するにあたって、別途許可が必要となる食品として主に以下のものがあります。

・ハムやソーセージ:食肉製品製造業
・パンやケーキなどの菓子類:菓子製造業
・アイスクリーム:アイスクリーム類製造(乳類販売業)
・刺身:魚介類加工業・販売業
・精肉:食肉処理業・食肉販売業

上記のほかにも、細かく規定が定められていますので、不安な方は保健所へと相談、確認してみることがおすすめです。

また、店舗ではない場所で出張販売する場合や、店舗外に焼き台などを設置して調理・販売する場合も許可が必要となる可能性があるため、保健所に事前に相談をおこないましょう。

お酒のテイクアウトは?

居酒屋やバーなどに来店するお客さんのなかには、店内で取り扱っているお酒をテイクアウトしたいという方がいます。この場合、別途「酒類小売業免許」が必要です。

酒類小売業免許は申請してすぐに取得できるものではなく、2ヶ月程度かかったりお酒専用の販売場所を設けなければいけないなど、時間も手間もかかるものです。

お客さんからのテイクアウト希望が何度もある場合は事前に計画をたててから取得すると良いでしょう。

衛生管理

衛生管理する従業員飲食店はテイクアウトを開始する際には、許可が必要なケースと不要なケースに分かれることが分かりました。ここでは、テイクアウトを始める全店舗に当てはまる、衛生管理面で押さえておくべきポイントについてご紹介します。

食中毒に気をつける

涼しい店舗で販売するのとは違い、テイクアウトでは商品を冷蔵庫にいれるまで、または食べるまでの時間は常温に置かれています。そこで注意すべきリスクが「食中毒」です。

店舗で提供しているから…と安心してしまい、特になんの対策もおこなわずに安易にテイクアウト販売をしてしまうことで、お客さんが食中毒を起こしてしまう可能性が高くなります。

大きな賠償が必要になることはもちろん「食中毒があったお店」という印象がついてしまい、その後の営業に大きな影響を及ぼします。保管方法の徹底はもちろん、テイクアウトの際は保冷剤をつける、お客さんに一言アナウンスするなど食中毒防止に努めることが大切です。

調理後の温度管理

店内で提供する商品は、注文が入り次第料理を開始し、出来上がったものをすぐにお客さんへ配膳する、という形がほとんどです。しかしテイクアウト商品は、店舗によって「テイクアウトメニュー」として作り置きしている、別途陳列されている、というケースも少なくありません。

陳列・保管場所の温度管理は問題ないか、直接日光が当たる場所で販売していないか、温度だけでなく湿度は適正かなど、調理後の温度管理に注意して販売しましょう。

容器包装の破損等により食品が汚染されないように

テイクアウトを開始するにあたって、必ず必要となるものがテイクアウト用の容器です。テイクアウトに使用する容器は、食材が入ればなんでも良いというわけではありません。

まず、お持ち帰り中に中身がこぼれないことが絶対条件です。せっかく楽しみにしていたのに容器から汁がもれていたり、容器が破損していたりすると、店舗の印象は一気に下がってしまいます。

お弁当タイプは中身が混ざらないよう仕切られているもの、汁気があるものはフタが2重のもの、麺類は汁と麺が分けられるタイプのものなど、商品ごとに適した容器を選ぶことが重要です。

テイクアウトの場合でも、店舗で食べるときと同じように美味しく食べていただけるように工夫していきましょう。

配達する時間が長時間に及ばないようにする

テイクアウトを開始する前に、配達する時間に関してルールを作ると良いでしょう。注文から30分以内で届けられるエリアに限定するなど、衛生面でのクレームや食中毒防止のために規定を作る方が望ましいと言えます。

また、テイクアウト時には「お持ち帰りの時間はどのくらいですか?」と聞くようにして、必要に応じて保冷剤をつける、早く食べるように促すなど、ちょっとした工夫も必要です。

テイクアウトを開始する際の注意点

飲食店でテイクアウトを開始するときに、何が正解か分からず不安なまま営業を始めるというケースも少なくありません。しかし、なにかトラブルが起きてからだと手遅れになってしまいます。

事前にテイクアウトを開始する際の注意点を理解して、万全に準備していきましょう!

消費期限・内容量の表示

飲食店が店舗で調理した商品をテイクアウトする場合は、消費期限や原材料名などの表示は義務付けられていません。

コンビニや惣菜コーナーに販売されている食品には、必ず消費期限や内容量を表示したラベルが貼られていることから「テイクアウトの商品にも必要なのかな…」と思っている方も多いでしょう。しかし、「店舗」で調理した商品をそのまま販売する場合は必要ないのです。

ただし「店舗外」で製造・加工した商品を仕入れて販売する場合は、消費期限などの表示が義務付けられるため、その違いに気をつけましょう。

保冷車や保冷ボックスを用いる

テイクアウトの開始を決めたら、容器と同時に保冷ボックスも購入しましょう。配達をおこなうのであれば、保冷車の購入も検討したいところです。配達時間・持ち運び時間に食材が傷むことを防ぐためにあらかじめ用意しておきます。

要冷蔵のものをテイクアウトするときは、保冷剤の他に保冷ボックスも用意し、要望に応じて商品を提供しましょう。保冷剤は1つまでサービス、2つ目から有料など、コスト面も考慮することも重要です。

テイクアウトを開始する際のポイント

チェックリスト「テイクアウトを開始したにも関わらず、利用が少ない」など、上手くテイクアウトを活用できていない飲食店が存在します。そこで、ここではテイクアウトを開始するときに押さえておきたいポイントを3つご紹介します!

テイクアウト用メニューを考える

テイクアウトの開始の認知、利用を促進させるために有効なのが「テイクアウトメニュー」です。メニュー選定のコツは、提供までの時間が早い商品と衛生面で不安要素が少ない商品を選ぶことです。

あらかじめメニューを絞り込むことで少ない人数でも提供可能になり、店舗の負担も軽減できます。

集客について

もっとも簡単にできて、かつ拡散力が強い集客方法は、SNSを利用した宣伝です。SNSで「テイクアウト開始のお知らせ」などの投稿をおこない、同時にキャンペーン内容を発信すると良いでしょう。

また、店舗内にポップを設置したり開始日を知らせるチラシを配布したりするなど、お客さんにテイクアウト開始を認知してもらえるよう工夫することが成功のポイントです。

オペーレーションについて

店舗営業にプラスしてテイクアウトを開始することにより、オペレーションの負担が増えてしまう可能性があります。特にテイクアウトを開始してまもない時期は、要領も掴めず不慣れな作業によって負担を感じる従業員が多いのです。

そこで、テイクアウトに関するオペレーションのマニュアル化や数量限定にするなどの工夫が必要です。

まとめ

今回の記事では、テイクアウトを開始する際の許可や注意点、成功のためのポイントについてご紹介しました。テイクアウトを始めるにあたって別途許可が必要となるケースがあるため、事前に保健所へ確認することをおすすめします。テイクアウトにおける衛生面や集客面、オペレーション面のポイントを押さえ、多くのお客さんに利用していただけるように努めましょう!

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