飲食店を開業しても失敗してしまう原因は?失敗事例も紹介

開業

2025/08/14

飲食店を開業しても失敗してしまう原因は?失敗事例も紹介

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飲食店は開業して、1年で3割・2年で5割・3年で7割が閉店すると言われている業界です。3年で7割が閉店すると聞くと、飲食店を開業したいものの失敗しないか不安に思われる方も多いのではないでしょうか?

「飲食店を開業しても失敗する原因は?」

「飲食店経営の失敗事例は?」

「飲食店の失敗と成功する人の違いは?」

本記事では、飲食店を開業したい人が直面する疑問について徹底解説します。飲食店を開業しても失敗してしまう原因や成功するポイントについて紹介するので、飲食店の開業に不安を感じている人は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

経営が失敗しやすい人の特徴

飲食店開業で失敗した人飲食店の開業をしても3年で7割が閉店してしまうのは何故でしょうか?失敗しやすい人の特徴について解説していきます。

お金の管理がしっかりできない人

飲食店を廃業しやすい人の特徴としてもっとも多いのが、お金の管理がしっかりできない人です。売上があっても支出が多ければ、赤字になってしまいます。

売上を伸ばすことばかり考えて削減できるところやコストの見直しをせず、原価が高くなってしまい、赤字になり廃業するケースも多いです。食材ロスをせずコストダウンできる箇所の把握を適宜していく必要があるでしょう。

見通しが甘い状態で開業してしまう人

「開業すればなんとかなる」「勝手にお客さんが来てくれる」という甘い考えで開業するとすぐに廃業してしまいます。

開業時は集客のために宣伝し、キャッシュフローなどをしっかり自身で見極めていく必要があります。

自分のこだわりのみで開業してしまう人

自分のこだわりのみで開業してしまい、顧客のニーズに応えられていないと、客足も遠のいてしまいます。こだわりすぎて内装設備にお金をかけすぎてしまったり、素材にこだわりすぎてメニューが高くなってしまったり、ターゲット層が地域とあっていなければ集客は難しいでしょう。

こだわることが悪いことではありませんが、お客様に「良いな」と思われるサービスを提供することが大事と言えます。

集客方法を上手く活用できていない人

開業直後はオープニングセールで客足も多く安心できたかと思えば、オープニングセール後は客足がぱったり止んでしまい、その後につなげられず廃業してしまう場合もあります。

新規顧客を増やすように、宣伝やSNS活用などを固定客が出来るまで取り入れるようにしましょう。

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飲食店の開業に失敗してしまう主な原因

ここでは、飲食店の開業に失敗してしまう主な原因を4つ紹介します。具体的な原因を深掘りして、詳しく見ていきましょう。

①不十分な事前調査

飲食店を開業する際、地域の需要や競合店の分析が不十分だと、成功の可能性は下がるでしょう。なぜなら、事前に市場調査を怠るとニーズの把握や適切な立ち位置の設定が難しくなるからです。

たとえば、新しい飲食店が地域で求められる需要を十分に把握できなかったり、競合店の存在やその営業戦略を考慮せずに進めたりすると、差別化や競争力を高める手段を誤る恐れがあります。

一方、成功する飲食店は地域社会の嗜好や文化を理解し、それに合わせて戦略を練っています。逆に、こうした要素を軽視すれば、メニューやサービスが地域の需要とずれてしまう可能性が高まります。

つまり、飲食店を開業する際は、十分な時間と労力をかけて事前調査をするのが欠かせません。

②適切でない場所の選定

飲食店を成功させるには、立地選びが欠かせません。ただし、適切な場所を決めるには複数の要素を総合的に判断する必要があります。

まず注目すべきは交通の便です。アクセスが悪い場所では来店が難しくなるため、交通量や近くの駅・バス停の有無を確認し、お客様が気軽に足を運べる環境かどうかを見極めましょう。

次に、周辺の競合状況も重要です。同じジャンルの店が密集していると市場が飽和し、新規参入のハードルが上がります。競合店の強みや弱みを分析し、自店ならではの差別化ポイントを探ることが求められます。

さらに、地域の人口構成や嗜好を把握することも欠かせません。ターゲット層に合った場所を選ぶことで、集客の可能性が高まるでしょう。

③資金計画の不備

資金計画が不十分だと、飲食店経営にとって致命的なリスクになりかねません。開業に必要な資金を正しく見積もらずに始めてしまうと、急な支出や売上の変動に対応できず、経営が厳しくなる可能性があります。

開業資金の不足や計画の甘さは、事業の成否を大きく左右する重要な要素です。だからこそ、慎重な資金計画を立て、将来の変動にも対応できる柔軟性を持たせることが欠かせません。

④人材の適切な配置と育成の怠慢

飲食店の成功には、スタッフの適切な配置と効果的なトレーニングが欠かせません。配置が不適切だったり教育が不十分だったりすると、サービスの質や業務効率が下がり、結果的にお客様の満足度を損なうでしょう。

従業員が適切な役割につき、必要なスキルを身につけられるようにサポートされなければ、店舗運営は円滑に進まず、長期的な成長も見込めません。

 

【実例から学ぶ】飲食店開業に失敗するケース経営の失敗事例

バーカウンター飲食店の経営に失敗した事例も紹介していきます。失敗事例を確認しておけば、同じような問題を回避できるでしょう。

失敗事例①開業前に出店地域の下調べをしていなかったカフェ

カフェを開業したものの、開業前に出店地域の事前調査をせず、メニューの価格が高すぎたりターゲット層と合っていなかったりしました。その結果、集客が伸びず売上も不安定となり、開業から間もなく廃業に追い込まれました。

カフェのコンセプト

女性OL向けのオーガニックを意識した健康志向のカフェ

出店した地域

駅近くで人の出入りが良いと思ったものの、実際は大学や学校が多く、学生が利用するには少し高いメニュー価格設定

原因

事前調査の不足

解決方法

今回このカフェが廃業に至った大きな要因は、開業前の事前調査が不十分だったことです。物件を選ぶ段階で、ターゲット層が集まりやすい地域かどうかを確認しておくべきでした。

今回の場合は、オフィス街の駅近に出店していれば、集客につながった可能性があります。出店地域にどのような層が住んでいるかは、不動産会社に相談すれば具体的な情報を得られる場合も多いため、契約前に必ず確認しておきましょう。

失敗事例②経営が赤字続きなのに売上確保で何とかなると考えた居酒屋

赤字が続いているにもかかわらず、売上さえ取れれば良いと考えて経営を続けた結果、廃業に至った事例もあります。

オフィス街の駅近に出店した居酒屋は立地条件こそ良かったものの、競合が多く、価格を下げて客を集めた結果、売上は確保できました。しかし営業利益は赤字のままで、最終的には廃業を余儀なくされました。

お店がした対策

ライバル店と差をつけるために価格を下げて客を呼び込んだところ、実際に客足は増えたものの、営業利益は赤字が続いてしまった。

原因

経営分析ができていなかった

解決方法

今回この居酒屋が失敗した大きな要因は、経営分析が不足していたことです。メニューを値下げして客数を増やし、売上で赤字を補おうとしましたが、人件費や原価率の見直しは行われていませんでした。

値下げに頼るのではなく、高利益メニューの拡充やイベント企画による集客など、他の方法を検討すべきでした。

さらに、赤字が続いた際の撤退判断が遅れ、経営をずるずる続けて借金が膨らむケースも少なくありません。事業計画書に将来の数値目標を織り込む人は多い一方、どの水準まで下がったら撤退するかを決めている人は限られています。

撤退にかかるコストをあらかじめ計算し、明確な基準を設定しておけば、借金の拡大を防げるでしょう。

失敗事例③どんぶり勘定で経営したバー

経営が失敗しやすい人の特徴として、お金の管理が甘く、どんぶり勘定をしてしまう傾向が挙げられます。

実際に、お酒をメインに扱うバーで、提供時に分量をきちんと測らず目分量でカクテルを作り続け、赤字に陥って廃業した事例もあります。

お酒1杯ではわずかな差でも、積み重なれば大きな損失につながります。

お店のしていたどんぶり勘定

ウィスキー720mlの1本5,000円のボトルを1杯30mlで1,000円で販売した場合、24杯取りで粗利は19,000円となります。ですが、どんぶり勘定で1杯をきちんと測らなかったため、思いのほか収益を上げられず経営不振になってしまった。

原因

想定原価を把握していなかった

解決方法

今回のバーが廃業した主な原因は、想定原価の設定が甘かったことです。

たとえば、24杯取りで原価5,000円の場合、売上24,000円なら原価率は20.83%です。しかし、実際に22杯しか提供できなければ、売上は22,000円となり、原価率は22.72%に上昇します。わずか2杯の差でも、利益を大きく圧迫してしまうのです。

さらに、食材ロスが出れば、仕入れ時に計算していた原価率より高くなるため注意が必要です。原価率は売上に対する原価で算出されるため、分量を目分量で増やしてしまうと、想定以上に負担が膨らみます。

こうした事態を防ぐには、料理はグラム単位、お酒はミリリットル単位でレシピを作成し、正確に管理することが欠かせません。

飲食店経営に成功するポイントは?

ビールサーバー最後に、飲食店経営で成果を出すためのポイントを5つ紹介します。それぞれ詳しく見ていきましょう。

先に物件を決めてしまわない

良い物件が見つかっても、融資が未確定の段階で契約すると、融資が通らなかった場合に大きなリスクを抱えることになります。

また、想定より融資額が少なかった場合、契約済みの物件の賃料や内装費で資金が消え、運営資金が不足する恐れがあります。

こうしたリスクを避けるためには、事前に融資が通るよう、詳細な事業計画書を作成しておきましょう。事業計画書には見通しや賃料の目安を盛り込み、資金計画を明確にするのがおすすめです。

毎月の収支を把握

売上が好調でも、利益が出ていなければ資金ショートの危険があります。人件費や食材費などのコストを把握し、無駄を削減する工夫が必要です。

また、月次の損益を定期的に確認し、赤字が続かないよう改善策を早めに講じることが安定経営につながります。

コンセプトの明確さ

コンセプトを明確にすることで、客層・価格帯・メニュー・店の雰囲気が定まります。

逆にあいまいなまま進めると、価格設定やメニューがブレて集客につながらず、経営難に陥るリスクが高まります。

途中で迷った際も、コンセプトを見直せば方向性を修正でき、経営の軸を取り戻すことができるでしょう。

集客方法をうまく使いこなす

集客と売上は直結しています。グルメサイト・SNS。チラシ。ホームページなど手法は多様ですが、やみくもに発信するのでは効果が薄れます。「誰に」「どのような情報を」届けるのかを明確にし、新規顧客か常連客かで方法を変えることが大切です。

飲食店の集客方法や面白い企画については別の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

飲食店の集客方法や面白い企画については別の記事に書いていますので、そちらをご覧ください。

事業計画書を練り直す

融資に必要な事業計画書には、競合店やターゲット層などを具体的に記載する必要があります。
事業計画書を作成する過程で、将来の売上見通しや経営の指標を立てられるため、融資のためだけでなく実際の経営においても役立ちます。

また、黒字見通しだけでなく、経営が悪化した際の撤退基準も設定しておきましょう。撤退の判断が遅れると借金が膨らむ原因となるため、基準を数値で明示しておきましょう。

さらに、融資額が計画と合わない場合は、無理に開業せず時期を見直す柔軟さも必要です。

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まとめ

今回の記事では、飲食店を開業した後に失敗してしまう主な原因と具体例を紹介しました。

多くの場合、資金管理の甘さや集客不足が原因で廃業に追い込まれています。

失敗を避けるには、コンセプトを明確にし、ターゲット層をはっきり定めることが重要です。

特にコンセプトやキャッシュフローに不安がある場合は、事業計画書にターゲット層や収支の見通しを具体的に記載し、準備を整えてから開業に臨みましょう。

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