損益計算書を理解しよう

開業

2020/09/11

損益計算書を理解しよう

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開業をして月締め作業を終えると税理士さんから一般的に「損益計算書」「貸借対照表」という2つの書類が送られてくると思います。開業前にこれらについて理解しておくと大変便利ですので、ぜひご覧の上、ご活用ください。

今回は損益計算書にフォーカスして説明をさせて頂きます。

 

損益計算書とは

損益計算書はProfit and Loss Statementを略して一般的にP/L(ピーエル)と呼ばれ、読んで字のごとく、利益を計算する書類でお店の儲かり度合を表します。

5つの利益について

P/Lには大きく分けて「売上総利益」「営業利益」「経常利益」「税引前当期純利益」「当期純利益」の5つの利益項目があります。

売上総利益(粗利)

売上高から売上原価を引いた残りの利益です。売上原価とは期首の棚卸+仕入-期末の棚卸の金額です。

営業利益

売上総利益から販売費及び一般管理費を引いた残りの利益です。販売費及び一般管理費とは仕入以外でお店の運営にかかる費用です。

飲食店では大きく人件費・地代家賃・広告費などが主な費用になります。

経常利益

営業利益から営業外収益をプラスし営業外費用をマイナスした残りの利益です。営業外収益とは営業以外で得るお金です。預金利息・助成金などがこれに該当します。

営業外費用とは営業以外に係る費用です。銀行借入の支払利息がこれに該当します。

税引前当期純利益

経常利益から特別利益をプラスし特別損失をマイナスした残りの利益です。特別という名前の通り、毎年発生する可能性が低い災害の損失・移転の費用・保有資産の売却などがこれに該当します。

当期純利益

税引前当期純利益から法人税等を引いた残りの利益です。最終利益とも呼ばれます。

重要なのは営業利益!?

 これだけ項目があると、益々数字に対して苦手意識が強くなった方もいらっしゃると思いますが、事業を始めたばかりの段階では営業利益をしっかり見て頂ければ問題ございません。

投資する視点に立つと分かりやすいのですが、本業でしっかり稼いだが(営業利益がプラス)、例年起こらない損失により赤字となった会社と本業で儲けられず(営業利益がマイナス)、保有資産を切り売りして黒字となった会社のどちらの会社に投資をしたいでしょうか。恐らくほとんどの方が前社ではないかと思います。

また、設立初期であれば営業外費用・特別損失の項目は支払利息があるかどうかで、その金額もそこまで大きい金額にはならない事がほとんどのため、営業利益が良い数字であれば結果的に他の利益も良い数字である可能性が高いのが実情です。

売上高・売上原価について

繰り返しになりますが、営業利益にたどり着くまでに売上高・売上原価・販管費及び一般管理費の3つの山を越えなければなりません。これらのうち売上高はご存知の通り、お客様から頂くお代です。カードなどで後からお代を頂く場合でも、利用日が売上日となります。お金が入金された日ではございませんのでご注意ください。

売上原価については売上総利益での説明の通り、棚卸の金額も重要となりますので毎月の正確な利益を把握するため毎月末に在庫のカウントを行いましょう。

仕入についても売上と同様、業者さんから掛で仕入れる場合、商品が納品された日が仕入日となります。

販売費及び一般管理費について

一般的に販管費と省略して呼ばれるため、ここでも販管費とさせて頂きます。販管費のうち飲食店で大きな割合を占めるものとしては、一般的に人件費・地代家賃となり、こちらは想像がしやすいと思います。

しかしながら、それ以外にも販管費には仕入以外の営業にかかる費用全般が含まれているため、内容が多岐に渡ることが多く管理が杜撰になりがちな項目です。

そうならないようにするため、まずは科目の整理をし、各科目にどういったものが含まれているかしっかりと理解をしましょう。また、細かすぎるのも問題ですが、人件費を社員とアルバイトで分けたりなどできる限り細かく管理をしましょう。

固定費と変動費

 ここからはP/Lの応用編ですが、科目を細かく分けるとかかっているコストのうち、固定費(売上の増減に関わらず一定でかかる費用)と変動費(売上に比例して増減する費用)がおおよそいくらかを把握することができます。それにより大きく2点メリットが生まれます。

休業中にかかるコストが分かる?

 2020.9現在、コロナの影響で飲食店は大変な打撃を受けています。今後もコロナ、もしくはその他の要因でお店を営業することができなくなる可能性も0ではありません。

そんな時、お店を一定期間休んだらかかるコストがいくらなのか、売上が下がっても変わらずかかるコストはいくらなのか気になるところですが、お店の月の固定費がいくらかを理解していれば、固定費の額にその期間を乗ずれば一瞬で導くことができます。

いくら売れば利益が出るか分かる?

また固定費と変動費を理解しているとお店の損益分岐点売上高(売上と費用が同額となる売上高)が算出できるため、売上目標にも使用できます。

(例)変動費が原価のみで原価率30%・固定費が70万円の損益分岐点売上高

  固定費70万円÷粗利率(100%-変動費率30%)=100万円

  つまり売上高100万円で利益0のため売上が100万円を越えれば利益が出る

※上記の試算は科目をきちんと分けていることが前提ですのでご注意ください。例えば人件費と一括りにしていると固定費として計算してしまうかもしれませんが、その中にバイト代や外注費があれば、それらは変動費となるかもしれません。

まとめ

ここまで読んで頂き、P/Lを理解するメリットを感じて頂けましたでしょうか?P/Lはお店の成績表です。ぜひ開業したら毎月P/Lを見る癖をつけてみてください。毎月見ていると同じ科目が月によって金額大きく違ったり、自分が想定していたものと違ったり色々な気づきがあると思います。

そんな時はぜひ契約した税理士さんに内容を聞いてみて下さい。想定しなかった費用が実際は発生していたのかもしれません。

儲かるお店作りにP/Lの管理は不可欠です。ぜひ理解を深めて日々の経営に生かして頂きたいと思います。

 

 

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